「借金を滞納してたら債権回収会社から電話が来た…。これってどんな状況?」
「債権回収会社からの電話は無視しても大丈夫?」
借金を滞納していると、借金回収を代行している債権会社から電話による督促(取り立て)を受けることがあります。
こうした督促は適当な時間帯・正当な理由があれば法律上は問題ありません。
なんだか怪しい、怖いからと言って無視し続けると借金の一括請求が行われるだけでなく、最終的には裁判を起こされ、給料や銀行口座が差押えられる可能性があります。
しかし、はじめのうちの電話の内容は本人確認・返済可能日の確認のみの場合がほとんどです。
無視するのではなく、適切な対応をとるようにしましょう。
一方、返済できる見込みのない方は、債務整理を検討したほうが良いかもしれません。債務整理によって返済額を大幅に減額できたり、免除できることがあります。
債務整理を検討する際は、弁護士・司法書士に相談することも手段の一つです。
この記事では
- 債権回収会社による電話の説明
- 督促電話を放置すると起きること
- 督促電話を受けたときの対応策
について解説します。
債権回収会社からの電話による借金の督促が来たけど、違法ではないのか?
突然、債権回収会社を名乗る人から電話がかかってきて驚いたという経験をした人もいるかと思います。そもそも、債権者ではない債権回収会社が取り立てを行うことは違法ではないのでしょうか。また、取り立てができるとしても、何か規制はないのでしょうか。
不適当な時間帯の自宅への電話や正当な理由のない連絡は違法なので気を付けて!
もともとの債権者だけでなく、債権者から委託を受けたり、債権譲渡を受けた債権回収会社も、借金の督促や取り立てをすることができます。もっとも、無制限に取り立てが認められるわけではなく、貸金業法の規制を受けます。貸金業法は、貸金業者の業務の適正化を図り、借り手の利益を保護するための法律で、その21条で、取り立て行為の規制が定められています。
代表的なものを紹介すると、以下のような規制があります。
- 正当な理由がないのに、社会通念上不適当と認められる時間帯に電話をかけたり、自宅を訪問して督促をしてはいけない
- 正当な理由がないのに、勤務先など住居以外の場所に電話や訪問をして督促をしてはいけない
- 債務者の借入の事実などを、債務者以外の者に明らかにしてはいけない
- 債務者以外の者に対し、債務者に代わって返済するよう要求してはいけない
「正当な理由」の内容については法律で細かく定められているわけではありませんが、一般的には債務者と連絡が取れない場合が当たるでしょう。
つまり、何度も電話や訪問をしても全く債務者に連絡が取れない場合には、正当な理由があると判断される可能性があるということです。
社会通念上不適当と認められる時間帯とは、午後9時から午前8時までの間とされています(貸金業法施行規則19条)。
正当な理由がないのにこの時間帯に電話や訪問をすることは、違法な取り立てになります。
そのため、債権回収会社からの電話や訪問は、基本的には「午前8時から午後9時までの間」に行われます。
どのくらいの頻度で電話をかけてくるかについては、貸金業法に電話の回数を制限する規定はないので、貸金業者によって異なります。
貸金業者ごとに社内の規定で、例えば1日3回までなどと決めており、中には1日に何度も電話をかけてくる会社もあります。
正当な理由がなく、これ以外の時間帯に取り立てを受けた場合、違法な取り立ての疑いがあります。
この場合、金融庁や警察に訴えることが可能で、債権回収会社はそれによって行政処分(重ければ業務停止命令)や刑事罰を受けることもあります。
もし現在、違法な取り立てを受けている場合、警察や弁護士事務所や司法書士事務所に相談するのも一つの方法です。
ただし、これはあくまで貸金業者の規制という観点で、警察に相談しても借金の問題そのものは解決しない場合がほとんどです。
取り立てが違法だからと言って、借金を返さなくてもいいとは言えないのです。
債権回収会社からの連絡は、まずは債務者本人の携帯電話にかかってくるのが一般的ですが、自宅にかかってくることもあります。
また、何度も携帯電話や自宅にかけても連絡が取れない場合には、「正当な理由」があるとして、勤務先に電話をかけてくることも考えられます。
自宅や勤務先の電話番号などの個人情報は、契約時に申込書などに記入させるのが一般的です。それ以外に、金融機関では郵便物が届かないなどの理由があり、債権回収のために必要な場合には、債務者の住民票の写しを取得することができます(住民基本台帳法12条の3)。
債権回収会社からの電話は、本人確認・返済可能日の確認のみ
先ほど説明したとおり、債権回収会社は、本人以外に借入などの事実を明らかにすることや、本人に代わって支払うように請求することはできません。
そのため、債権回収会社からの電話では、まず本人確認を行います。本人確認が取れる前に債権回収会社や債権者の名前を出すことはありません。
最初の電話では、いつまでに入金するのかを聞かれ、入金日を約束することが多いでしょう。
いきなり一括で請求されるようなことは、通常はありません。
電話を受けた時点ですぐに返済ができない場合には、その理由といつまでに返済ができるかを説明する必要があります。
もし支払いのめどが全くたっていない場合、任意整理などをして支払い計画を見直す必要があるかもしれません。
そのまま放置して利息や損害金が増え続け、返済ができなくなる前に、弁護士や司法書士に相談するのも解決策の一つです。
貸金業者は債権回収会社を利用して取り立てを行う
債権回収会社による取り立てが認められるとしても、そもそも債権回収会社とはいったいどのようなもので、貸金業者とどのような関係があるのでしょうか。
債権回収会社とはどのような会社?
債権回収会社は、債権の管理、回収を事業として行う株式会社のことを言います。
本来、債権は各金融機関が管理、回収すべきものですが、バブル経済の崩壊後、大量に発生した不良債権を迅速に処理するために、専門の業者による債権の管理、回収の必要性が議論されるようになりました。
しかし、債権の管理、回収を事業として行うこと、言い換えれば債権の管理、回収によって対価を得ることは、法律事務に関する業務を弁護士の独占とした弁護士法に抵触するのではないかという懸念がありました。
そこで、「債権管理回収業に関する特別措置法(通称・サービサー法)」が制定され、この法律による許可を受けた業者は、弁護士法の特例として、債権の管理、回収を事業とすることができるようになったのです。
現在、たいていの大手消費者金融やクレジット会社、ローン会社は、債権回収会社を利用しています。
- 三菱UFJ銀行系→エム・ユー・フロンティア債権回収
- みずほ銀行系→日本債権回収
- 三井住友銀行系→アビリオ債権回収
- アコム→アイ・アール債権回収
- プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)やレイク(新生銀行)、ジャックスなど→アビリオ債権回収
- クレディセゾン→ジェーピーエヌ債権回収
- セディナ→セディナ債権回収
金融機関が債権回収会社の親会社である場合(債権回収会社を子会社として設立し、債権の管理、回収を任せている場合)も少なくないものの、特に資本関係のない独立系サービサーもあります。
どの債権回収会社の取り立てが厳しいかは一概には言えないものの、一般的には親会社の債権回収を行う会社よりも、独立系のサービサーのほうが厳しい傾向にあると言えるでしょう。
もし、借金の支払いが現状厳しい場合、債務整理をして借金の負担を減らし、返済計画を無理のないようなものにするという選択もあると言えるでしょう。
債権回収会社からの電話を無視しているとどうなるのか~督促の流れ~
債権回収会社からの電話を無視していると、どのようなことが起こるのでしょうか?
突然家に訪問してきたり、裁判を起こされたりするのでしょうか?
【レベル1】電話での督促
債権回収会社に債権の渡った借金を返さないでいると、まずは債権回収会社から電話が来ます。
とはいえ、上に書いた通り、日本の法律では、「社会通念上不適当と認められる時間帯に電話をしてはいけない」ということになっています。
なので、平日の昼間にかかってくる電話を無視していても、深夜や早朝に電話がかかってくることはありません。
また、電話の内容も本人確認・返済可能日の確認のみです。
また、日本の法律では、取り立てのために自宅以外の場所や職場を訪れることを禁止しています。
しかし、債権回収会社からの電話を無視していると、業者が家に押しかけてくる可能性はあります。
もし深夜や早朝に着信があったり、「返済しなければ自宅に行くぞ」などと脅された場合には、警察や弁護士や司法書士に相談するのも一つの方法です。
【レベル2】一括請求の督促
債権回収会社からの電話を無視していると、借金の残額を支払うように一括請求する督促状が届きます。
これは、督促状を出したという事実を残すために、内容証明郵便であることが多いです。
また、借金の一部を滞納しただけであっても、業者は一括請求することができるので、気をつける必要があります。
一括請求は裁判の1つ前の段階です。
もし支払えない場合は弁護士や司法書士に相談し、裁判になる前に債務整理などをして無理のない支払いに移行することも選択肢の一つです。
【レベル3】裁判を起こされる
業者からの一括請求を放置していると、いよいよ裁判を起こされてしまいます。
裁判の判決が確定すると、あなたの給料や銀行口座が差押えられる可能性が高くなります。
給料が差押えられる場合は、裁判所から職場に連絡が行きますので、この段階で職場に借金を滞納していることが知られてしまいます。
差押えをされてしまったり、職場に知られるのは困ります……。
そうならないようにするにはどうすればいいんですか?
裁判を起こされる前に無理なく返済できるように支払い計画を組みなおす必要があります。
債務整理をしないという選択肢も含め、どのような対処をするのが一番いいのかはその人の状況にもよりますので、弁護士や司法書士に自分の状況を相談して、専門家の意見を聞くのも解決策の一つです!
債権回収会社から督促の電話が来ているなら、放置せずに債務整理をするのも一つの方法
それでは、債権回収会社から適法な範囲内で督促を受けた場合、どのように対応すればいいのでしょうか。
債権回収会社から督促を受けるということは、すでに相当期間、借金を滞納している可能性が高いです。
対応を間違えると、支払督促や訴訟などの法的手続きをとられてしまう可能性があります。
専門家に相談することを検討しましょう。
法律の専門家に債務整理の依頼をしたほうがいい理由
債務整理とは、借金の額や返済方法を見直し、借金の負担を軽くする手続きのことです。
債務整理には、裁判所を介さずに債権者と個別に交渉する任意整理や、裁判所の手続きである自己破産、個人再生などがあります。
自己破産や個人再生をすれば、滞納分や遅延損害金が免除される、または減額されます。
任意整理では将来の利息をカットすることができます。
債権回収会社から督促を受けたにもかかわらず、返済も債務整理もしないで放置していると、債権回収会社から、遅延損害金も含めた全額を一括で支払うことを求める裁判を起こされてしまいます(一括請求)。
そうなると、分割での返済には応じてもらえず、自己破産しか選択肢がなくなってしまう可能性が高くなります。
そのため、専門家に相談することは解決策の一つと言えます。
専門家に債務整理を依頼すると、専門家が、債権回収会社に対して依頼を受けたことを通知します。通常は郵便で送るのですが、すでに厳しい取り立てを受けている場合には、電話やFAXで依頼を受けたことを通知し、併せて正式な受任通知を郵送するといった工夫をすれば、最短なら即日にでも、債権回収会社からの督促や債権回収会社への返済を止められる可能性はあります。
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