「リボ払い」最大の危険は、月々の支払いを一定にして安く済ませている間に「支払い残高」が雪だるま式に増え、クレジットカードの利用総額が上限に達することです。
限度額が上限に達した状況で、仕事を辞めたり病気になったりして収入が途絶えてしまったら、キャッシング枠の利用はおろか、他からの借金もできなくなります。
またこの状況で債務整理を相談したとき「任意整理・特定調停」では元金=支払い残高の減額が見込めず、最終的に自己破産の選択が現実的な手段として残ってしまいます。
リボ払いの支払い残高を抑えるためには「返済額」と「利用目的」の見直しが有効です。それぞれについてチェックしてみましょう。
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リボの「支払い残高」が破産の引き金となる
リボ払いは「気づかないうちにカードの利用額が上限に達する」ことが、破産へつながる最大のリスクといえます。
例えば5万円の商品をクレジットカードのリボ払いで買い、契約先のカード会社が規定する最低弁済額の5,000円で支払いを進めた場合は毎月「5,000円+利息」の支払いを続けることで、利用者の負担は分散されます。
ただしリボ払いの利用額はカード会社ごとに上限枠が決められています。リボ払いの利用が重なり、規定の上限まで達したときがもっとも危険な状況です。
クレジットカード(総枠80万円)の例
総枠 |
80万円 |
ショッピング枠 |
50万円 |
キャッシング枠 |
50万円 |
上記のような条件でカードを利用し、ショッピング枠を上限の50万円分利用した場合、キャッシング枠で利用できるのは「総枠-ショッピング枠」の30万円です。
キャッシング枠も使い切った状況で「仕事を辞めた・病気になった」などの理由で収入が途絶えたとしましょう。無職ではカードローンや消費者金融の審査に通らないため、クレジットカード利用分を返済するあてがなくなります。
この時点で「借金をどうにか減らしたい」方が債務整理を検討した場合、債権者と交渉して利息分の減額を目指す任意整理・特定調停では元金=返済残高の圧縮には期待できません。
また個人再生についても債権額が100万円未満の場合は元金の圧縮ができず、さらに継続した収入を証明しなければならないため、法テラスや弁護士事務所、法律相談所に駆け込んだとしても、相談相手はあなたに自己破産を勧めざるを得ないのです。
カードの限度額が上限に達する原因と対策
リボ払いが原因でクレジットカードの限度額に達してしまう原因は大きく2つあります。
月々の返済額が少ないことと無意識にカードを使ってしまうことです。それぞれについて見直すことで、利用残高を抑えることが可能となります。
月々の返済額を見直す
クレジットカードの利用金額が50万円として、金利が年率18%、支払いを1万円のリボ払いに固定した場合、50ヶ月で完済したときにかかる手数料だけで18万円を超えます。
このような場合に5,000円/月や、1万円/月などカード会社が規定する最低弁済金額での支払いでは、利用残高がなかなか減りません。
収入がある方は支払額をたとえ1万円でも多く返済に回して残高を少なく保つ意識を持ちましょう。
ボーナスの支給月にまとめて返済することも支払回数を減らすうえで有効です。
無意識のカード利用を無くす
リボ払いでクレジットカードの支払い残高が増えてしまう理由は、日常生活に関わる「無意識の出費」にクレジットカードを紐づけてしまい、利用総額が把握できなくなることです。
とくに下記のような支払いをリボに設定すると、雪だるま式に利用額を増やしてしまう原因となります。可能な限り一括払いか、利用額を上乗せする「まとめ払い」にして利用額を抑えましょう。
ETCカード
クレジットカードに付帯したETCカード利用分をリボ払いにしている方は、今すぐ支払方法の変更を検討しましょう。
とくに仕事で車を利用している方は、毎日使う高速道路の通行料を把握しておくのは困難です。気付かぬうちにカードの利用額を増やしてしまう原因となります。
交通費
出張や冠婚葬祭、帰省で新幹線や飛行機に乗る場合、最近ではスマートフォンからワンステップでチケットを予約できて便利です。
その反面、数万円単位の交通費をリボ払いにしてしまうと、支払い残高が一気に増えてしまいます。交通費の利用分は必ず「まとめ払い」にするよう心がけましょう。
会員制コンテンツサービス
Amazon、Netflix、DAZNなどのOTTサービスに複数契約している場合、毎月のコストとしてクレジットカード利用額を押し上げています。
OTTサービスの「初月無料」や「3ヶ月無料」をきっかけに契約してそのまま放置している方は、サービスの契約を見直しましょう。
無職でリボ払いの上限に達したら
仕事を辞めてしまったり、病気になったりしてリボ払いの残高が上限に達した時点で収入がなくなったとき、最優先で考えることは「延滞を避けること」です。
クレジットカード滞納の放置は、新たな借り入れができなくなるブラック状態(いわゆるブラックリストに載る)になり、最終的に裁判を経て差押えにまで進む可能性があります。手遅れになる前に以下のような対策を取りましょう。
最低弁済額へ変更する
先ほどの説明と矛盾しますが、最低弁済額への変更は「仕事を辞めたばかりで、貯金がある程度残っている無職の方」にとっての、次の仕事を早急に見つけるまでの暫定的な対処法です。
「生活費が底をつき、延滞してブラックリストに入ること」を避けるため、請求額を規定の最低弁済額へ変更し、できるだけ手持ちのお金を減らさないようにしながら収入源の確保に努めましょう。
アルバイトから仕事を始める
正社員での仕事探しに時間がかかっている場合は、まずはアルバイトやパートからでも仕事を始め、継続した収入を得て返済へあてることも、延滞を避けるためには有効な手段です。
親や信頼できる人から借りる
「身内には言い出せない…」という悩みや恥ずかしさは捨てるべきです。たとえ延滞を放置した場合でも自宅に宛てに督促状や電話で通知がきて、結局バレてしまう可能性もあるため、頼れるのであれば手遅れになる前に相談しましょう。
初期の支払い方法を確認する
クレジットカードの種類によってはカード契約時から
・初期の支払い方法がリボ払いに設定されている
・リボ払い専用カードだった
というケースがあります。
このような条件に気付かずにリボ払いを利用してしまう可能性もあるため、初期の条件はしっかりと確認して、場合によってはあらかじめ支払い方法を変更しておきましょう。
まとめ
リボ払いは、利用分に応じてポイントが付与&還元され、ネットショッピングに使える側面もあるため、付き合い方によってはとても便利な仕組みです。しかし支払いへの紐づけ方によっては思わぬ形でカード利用額を増やしてしまう場合があります。
「気付けば返済できなくなり、借金が積もりに積もってしまった…」という状況を避けるためにも、支払い方法についてはじっくりと見直すことが大切です。
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