「そもそもリボ払いってどんなものなの?」
「カードを使いすぎちゃった!リボ払いなら今月分の支払いできるかな?」
クレジットカードの返済ができない時の対処法として紹介されることも多いリボ払い。
リボ払いなら今月分の返済を乗り切れるのではないかと期待している方もいるのではないでしょうか?
リボ払いの仕組みを知らずに利用するのは避けたほうが良いでしょう。リボ払いがきっかけで支払いを滞納してしまう可能性があります。
もちろん、リボ払いそのものが悪というわけではありません。そこでこの記事では、リボ払いを上手に活用するために、その仕組みと注意点についてご紹介します。
リボ払いとは、正式名称をリボルビング払いといい,
クレジットカードの支払方法の一つです。
ひと月あたりの支払額を設定し、その金額以上の支払い残高を翌月以降に繰越すことができるというものです。
たとえば、10万円の支払い残高がある場合、ひと月の支払額を5千円に設定すると、翌月以降も5千円の支払いのまま、10万円分の残高を支払っていくことになります。
途中で支払額を変更したり、一括で支払ってしまうこともできます。
分割払いは「回数」を決めて返済していくのに対して、リボ払いは「金額」を決めて返済していく点で異なります。
リボ払いの使い方
クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠がありますが、どちらもリボ払いすることができます。
リボ払いしたいタイミングによっていくつか種類があるので紹介していきます。
- お店でリボ払い
商品の会計の時にリボ払いで支払いたいと伝えると、利用することができます。
一括払いや二回払いでは支払えそうにない、高額な買い物をしたい場合に便利です。
- あとからリボ払い
商品の会計の時には一括払いや二回払い、ボーナス払いなどで支払いをしていたとしても、あとからリボ払いに変更することで、クレジットカードの請求分はリボ払いすることができます。
クレジットカードの請求額が思ったより多くてこのままでは支払いが厳しいという場合に便利です。
- 自動リボ払い
ショッピングリボ払いやあとからリボ払いに対して、わざわざ設定したり、店頭で伝えたりしなくても、クレジットカード支払いはリボ払いとして自動で処理されるものです。
毎回の支払いをリボ払いに変更するのが面倒くさい、お店では伝えづらいという場合に便利です。
他にもあらかじめ設定金額以上のカード請求が来てしまった時、超えてしまった分の支払いは翌月に繰り越しとなるものもあります。
リボ払いのメリット・デメリット
名前は聞いたことがあるけど、詳しく知らない、結局どのようなものなのかわかりづらいという方も多いでしょう。
ここでは、リボ払いの具体的なメリットとデメリットをまとめてみましょう。
リボ払いのメリット2つ
- 毎月の支払額を一定に抑えることができる
詳しくは後で説明しますが、リボ払いの種類の一つである定額方式という支払い方式を利用すれば、毎月の支払額が一定になるというのは、リボ払いの最大の特徴でもあります。
支払額を少額に設定して利用することで、カードの返済ができない時に一時的に滞納を免れることができたり、毎月の支払額が一定に抑えられることで、生計が立てやすくなったりします。
- 利用可能枠内ならいくら使っても、何回買い物をしても利用できる
リボ払いにも利用できる上限金額(利用可能枠)というものがあらかじめ決められています。
その枠内であれば、いくら使っても、何回買い物をしてもその月の分をリボ払いすることが可能です。
人によって上限金額が異なりますが、リボ払いの利用可能枠は、支払い可能見込み額(年収ー生活維持費ークレジット債務)の90%以下の金額に設定されています。
※生活維持費…世帯人数及び居住形態により異なる。
世帯の人数 |
1人 |
2人 |
3人 |
4人以上 |
居住費負担なし
(家賃など)
|
90万円 |
136万円 |
169万円 |
200万円 |
居住費負担あり
(家賃など)
|
116万円 |
177万円 |
209万円 |
240万円 |
※クレジット債務…リボ払いしたいカードの発行を申し込んだ際、すでに利用していた他社のカードがあれば発生する。
たとえば、リボ払いしたいA社のカードの発行申し込みの際、すでにB社で年間10万円の利用があれば、その時点でのクレジット債務は10万円となる。
毎月の利用明細書やWEBサイトのマイページにあるご利用可能枠・残高照会などでも確認できるので、自分の利用可能枠を知りたい人は確認してみましょう。
リボ払いのメリットについてさらに詳しく知りたい方はこちらです。
リボ払いのメリットは本当にお得?メリットに潜む危険な落とし穴
買い物で高額な商品を目の前にしたとき、クレジットカードがあればリボ払いにする、という選択肢があります。とはいえ「リボ払いのメリットは?」「リボ払いは危険というけど利用して大丈夫?」と利用に慎重になる人もい
リボ払いのデメリット2つ
- 手数料が高い
リボ払いの金利である手数料は毎月加算されるものです。金利は15.0%に設定されていることが多く、これは消費者金融から借金をするのとほぼ同じ利率です。
例えば、30万円の残高をリボ払い(残高スライド方式)にすると、すべての支払いが終わるまでにかかる手数料は78,331円になります。
手数料の計算方法については、「手数料の計算方法」で詳しく説明します。
- 支払残高を把握しづらい
リボ払いは毎月の支払額に変化がなく一定額に抑えられるため、毎月の支払額のうち「手数料がどれくらいかかっているか」「どれだけ残高が減っているのか?」が把握できなくなりがちです。
したがって「毎月払っていたのは実は手数料だけだった…」といったケースも少なくありません。
リボ払いの手数料
リボ払いの手数料は普通、実質年率何%という表示がされています。
そのため、結局いくらかかるのかわかりづらい場合もあります。
リボ払いは手数料がいくらかかるのかわかりづらいということから、「きちんと支払っているのに残高が減っていない…」という状況に陥ってしまう可能性があります。
そうならないためには、手数料がいくらかかるのか把握することが必要です。
では、具体的にリボ払いにおける手数料とはどうやって計算されるのでしょうか。
手数料の計算方法
リボ払いの1ヶ月(31日)の手数料は下記の計算式で決まります。
手数料=支払残高×金利(15.0%)×31日÷365日
とはいえ、この式だけ見てもなかなかピンときませんよね。
具体例を挙げて詳しく解説していきます。
たとえば、10万円のパソコンをリボ払いで決済して毎月元金を5千円ずつ支払う(残高スライド方式)場合を例にしてみます。
先ほどの式を用いて計算すると、初月の手数料は以下のように求められます。
10万円×15%×31÷365=1,274円
したがって、初月の支払総額は6,274円となります。
そして翌月は、5千円減った元金9万5千円に対して、同じように手数料がかかり、計算すると1,210円となり、この月の支払総額は6,210円となります。
このように毎月手数料を支払っていくと、払い終わる頃には10万円の買い物に対して13,120円の手数料を支払う計算になります。
金利はカード会社によっても異なる場合があるので、自分が使っているカードの金利は何%なのか、きちんと確認するようにしましょう。
<主要カード会社のリボ払い金利一覧>
リボ払いの仕組み
ここまでリボ払いとはどのようなものなのかを説明してきましたが、ここからはリボ払いの利用に関する注意点を説明していきます。
それでは、なぜリボ払いの利用には注意が必要だというイメージあるのか、その仕組みから説明していきます。
リボ払いは主に、「定額方式」と「残高スライド方式」の2種類があります。
定額方式
定額方式とは、文字通りクレジットカードを使った金額や使った回数支払い残高に関わらず、毎月の支払額が一定になる支払い方式です。
たとえば、30万円の買い物をしたとします。
これを定額方式で支払うと、設定した毎月の支払金額が1万円なら、支払いをしていく中で残高が減っても、支払途中で新たな買い物をして残高が増えても、支払額は変わらず1万円です。
支払額を常に低く抑えられるのは魅力的ではありますが、残高が増えると支払い期間が延びることになってしまいます。実質上の利息に当たる手数料の支払額は残高に応じて決まりますので、返済が長引くとその分手数料が膨れ上がってしまうリスクがあります。
残高スライド方式
残高スライド方式とは、支払残高がいくらかによってに応じて毎月の支払額が増減する方式です。
この方式は以下の表のように、支払残高が段階的に分けられ、それに応じて毎月の支払額が取り決められています。
<支払額の取り決めの例>
支払残高 |
10万円未満 |
10~15万円未満 |
15~20万円未満 |
20万円以上 |
毎月の支払額 |
5,000円 |
1万円 |
2万円 |
残高が10万円増えるごとにプラス5000円 |
カード会社によっても取り決め方が異なるので、各カード会社のWEBサイトなどを見て確認するようにしましょう。
<主要カード会社の残高スライド方式の毎月の支払額>
この方式を利用すると具体的にどうなるのか、こちらも例を使って説明していきます。
たとえば、30万円の買い物をしたとします。
これを、残高スライド方式で支払うと、先ほどの表より、支払額は2万5千円からスタートし、支払いをしていくなかで残高が20万円以下になれば支払額は2万円に、15万円未満になれば1万円…というふうに毎月の支払額が減っていきます。
逆に、支払途中で新たな買い物をして残高が増えた場合は、毎月の支払額が増えていきます。
支払残高に対して毎月の支払額は低く設定されているため、残高スライド方式も定額方式と同様に支払いが長引き、手数料が膨れ上がる可能性があります。
このようなリボ払いの複雑な仕組みからもわかるように、使い方を間違えると返済期間が長引き、返済不能に陥ってしまう可能性があるということを覚えておきましょう
リボ払いの危険性についてはこちらでより詳しく説明しています。
リボ払いとは、正式名称をリボルビング払いといい, クレジットカードの支払方法の一つです。ひと月あたりの支払額を設定し、その金額以上の支払い残高を翌月以降に繰越すことができるというものです。たとえば、10万
リボ払いを上手に使う3つのポイント
とはいえ、リボ払いはお得で便利な面もあり、どうしても使いたいという方もいるでしょう。
そのような方は、リボ払いの危険な落とし穴にはまらないためにも、正しい使い方を知って上手に利用しましょう。
キャンペーンやポイントなどの特典に気を付ける
クレジットカードの支払いをリボ払いにすると、キャンペーンやポイント、マイルを獲得できるという話はよく聞くのではないでしょうか?
月々の支払額を抑えることができて、特典をもらうことができるとなれば、一見利用者にとってお得なことのように思われがちですが、リボ払いを長期にわたって利用していると手数料が膨れ上がるので、せっかく獲得した特典以上に負担をしてしまい、結果として損をしてしまうという可能性があります。
目先の特典につられてリボ払いを繰り返すのは注意が必要です。どうしても返済ができないというピンチの時以外はできるだけ使わないようしましょう。
きちんと明細を確認する
リボ払いは支払残高を把握しづらいことから、返済方式の仕組みや手数料がいくらかかっているのかきちんと理解しないまま利用していると、ちゃんと返済できているという勘違いを起こしてしまう可能性が高いです。
なぜこのような勘違いを起こしてしまうのかというと、設定した支払額に手数料が含まれているためです。
例えば、50万円の買い物をした場合、月々の返済が2万円なら、そのうちに含まれる手数料がおよそ6千円になります。そのため、2万円を支払ったとしても、その後の残高は48万円ではなく、48万6千円となります。
たまたま明細を見てみたたら思ったより残高が減っていないという状況に陥ってしまうのも珍しくありません。
利用明細などを定期的に確認して、今いくらの残高があるのか、手数料はいくらかかるのかをきちんと把握することを心がけましょう。
返済を長引かせない
返済期間が長引いてしまうと、手数料が膨れ上がってしまいます。手数料がが膨れ上がると、残高への返済に充てられないので、さらに返済期間が伸びるというループに陥ってしまう可能性があります。
それでは、返済期間が長引かないようにするにはどうすればいいのか説明していきます。
まず、返済期間が延びてしまう理由は下記のようなことが挙げられます。
- 月々の支払設定額が低い
- まだリボ払いの支払い途中のカードで新たに買い物をする
- 支払額が増減するコースを利用する
上記のような使い方をしていると、残高が増え、返済期間が延長し、手数料が膨れ上がります。
そうならないためには下記のようなことに注意して利用する必要があります。
- できるだけ月々の支払設定額を高く設定する
- 余裕のある時は繰り上げ返済する
- リボ払いの支払いが完了するまで同じカードでの新たな買い物は避ける
返済を楽にするはずが、結局返済に追われる日々に戻ってしまわないよう、リボ払いを使うときは細心の注意を払うようにしましょう。
返済方法をシミュレーションしてみよう
前述した通り、リボ払いの手数料はキャッシングの利息と同じで、返済期間が長くなればなるほど合計金額が膨れ上がってしまいます。
そのためリボ払いを利用すると、最終的には一体どのくらいの手数料を支払うことになるのか、支払が完了するまでどれくらいの期間がかかるのかをしっかり把握することが大切です。
シミュレーションの仕方は、以下の通りです。
手数料=支払残高×金利(15.0%)×31日÷365日
支払回数=支払残高÷毎月の支払額
■30万円の支払残高の場合
定額方式で月々3万円の返済をすると…
・合計手数料 20,625円
・支払回数 10回(およそ1年)
定額方式で月々2万円の返済をすると…
・合計手数料 3万円
・支払い回数 15回(およそ1年半)
■50万円の支払残高の場合
定額方式で月々3万円の返済とすると…
・合計手数料 55,250円
・支払回数 17回(およそ1年半)
定額方式で月々2万円の返済とすると…
・合計手数料 81,250円
・支払回数 25回(およそ2年)
リボ払いのシミュレーションは、日本クレジットカード協会やカード会社が運営しているシミュレーターを利用することでできます。シミュレーターによって金利が固定されているもの、支払コースが固定されているものがあるので、リボ払いしたいカード会社のシミュレーターを利用するとより具体的なシミュレーションができます。
まだ決まっていない、大体でいいからシミュレーションしたいという場合は、日本クレジットカード協会のシミュレーターを参考にしてみるのもいいかもしれません。
<主なリボ払いシミュレーターサイトURL>