特にギャンブルなどをやっていないのに、気がついたら借金地獄に陥っていた――というケースは意外に少なくありません。多重債務の危機が迫っているにもかかわらず、「借金地獄から逃れるためにどのような対策を講じればいいのかがわからない」という方もいるでしょう。
そこでこの記事は、
・借金地獄に陥りやすい4つのパターン
・国の統計から見える借金地獄の意外な原因
・借金地獄に陥った方の体験談
・借金地獄を解決するための対処法
についてご紹介します。
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2022.03.14 更新
特にギャンブルなどをやっていないのに、気がついたら借金地獄に陥っていた――というケースは意外に少なくありません。多重債務の危機が迫っているにもかかわらず、「借金地獄から逃れるためにどのような対策を講じればいいのかがわからない」という方もいるでしょう。
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目次
借金地獄(多重債務)のリスクは日常生活に潜んでおり、極論をいえばほとんどの人に借金地獄に陥る可能性があります。その原因となりやすいのが、以下の4つのパターンです。
借金地獄に陥る最大の原因は、「生活費の補てん」です。その主なきっかけとなっているのが、突然の病気やケガ、勤務先の倒産・リストラなどを原因とする失業や転職による収入減です。
病気やケガが重度だった場合には多額の医療費がのしかかってくるため、生活費が足りなくなるケースがあります。その分の生活費を補てんするために小さな借金をはじめ、その額が少しずつ大きくなっていくと借金地獄に陥ってしまうのです。
また、多額の費用がかかる冠婚葬祭費も原因になりがち。特に葬儀は突然行う必要性が生じるものなので、貯えがないと瞬間的に葬儀費用や生活費の不足が問題となってしまいます。
「仕方がないから……」と複数の借り入れ先から借金した結果、返済しきれずに多重債務に陥ってしまう――という流れもよくあるパターンです。
マイホーム購入を目的とする住宅ローンや奨学金、学生ローンなどの借金も、多重債務の原因となります。これらの借金の金利は基本的に低めです。しかし借入額が多く返済期間も10年単位となるため、トータルの利息は高くなります。
住宅ローンは「返済能力がある」と認められた人だけが利用できるため、本来なら返済可能なはずです。しかし急な失業などで収入減に陥れば、返済が滞る可能性が高くなります。また、奨学金も安定した収入があれば返済可能ですが、就職活動の失敗や会社都合によるボーナスカットなどで十分な収入がなければ、完済することは難しくなります。
クレジットカードのリボ払い(リボルビング払い)も、借金地獄の入口です。
利用代金の返済が毎月一定額となるリボ払いは、一括払いが難しい買い物もしやすいという点が選ばれる理由となっています。
また、リボ払い専用カードの利用やリボ払いへの切り替えでポイントがお得に貯まるという仕組みを採用しているカードが増えているのも、利用者が増加している一因といえるでしょう。
しかし、リボ払いには大きな落とし穴があります。
リボ払いは毎月少額ずつ返済する分、元金の返済が先送りになり、毎月のリボ残高に年利約15%の金利手数料(利息)が加算されます。
15%の金利というと、消費者金融から借金をするのと同程度です。「リボ払いは借金ではない」と認識している方もおられるかもしれませんが、利息がかかる以上は、借金と同じと考えた方がよいでしょう。
また、返済が遅れればそこに遅延損害金(延滞利息)も加算され、さらに借金がふくらみます。その結果、元金が減らぬまま利息だけ払う状態となり、借金地獄に陥るケースが多いのです。
もちろん、ギャンブルや浪費も借金地獄の原因となります。ギャンブルや浪費がやめられない人は、自分の欲求をコントロールできません。ギャンブルは中毒性が高く、勝ったときの快感が忘れられなくなります。その結果、勝つまで多額のお金をつぎ込んでしまうのです。
また、浪費もお金を使うことが快感となるので、自力でやめるのは困難です。浪費の内容については、男性は飲み会などの交際費や車などの趣味、女性の場合は美容やファッション関連が多いとされています。
そのような原因から、借金してでもギャンブルや浪費をしてしまう自分を止められなくなり、地獄に足を突っ込んでしまうことがあります。
自分一人ではなかなか解決できない問題のため、誰かに相談するのがよいでしょう。他人に話すことで自分の状況を冷静に把握することにもつながるはずです。
ここまで読んだ方の中には、「自分は借金が少ないからまだ大丈夫」と思っている方もいるでしょう。しかし、誰でも状況によっては借金地獄に陥る可能性があります。そのリスクは、統計が警告してくれています。
借金地獄に陥る最大の原因が生活費不足です。現在すでに生活費の補てんで借金をしている場合は、今後多重債務に陥る危険があります。
平成30年の首相官邸の統計データによれば、平成30年3月時点の多重債務者1人あたりの債務(借金)総額の平均は約50万円です。
平成18年の貸金業法改正で、年収の3分の1を超える借り入れを禁止した、いわゆる総量規制の導入により、以降右肩下がりで1人あたりの平均額は減少傾向にあります。
1人あたりの借金額は全体的に下がっています。しかし、生活費不足による借入は前回調査に比べて45%も増えています。
その理由は、全体的な世帯収入が増えていないにもかかわらず、物価や税金、社会保険料などの上昇で生活費に回せるお金が減っているという背景があります。
特に世帯年収が低い場合は、生活費をねん出するだけでも大変です。その状態で50万円を返済するのは極めて難しいでしょう。
事実、財務局などには世帯年収300万円以下の人からの借金相談が2,500件以上も寄せられています。「自分は大丈夫」という考えが危険なのはそのためです。
ここで、実際に借金地獄に陥ってしまった人の体験談を2つ、ご紹介します。
買い物による浪費で借金地獄に陥りました。最初は銀行カードローンで20万円くらい。次の給料で返済する予定でしたが、いざ給料を手にするとまた買い物……。それを繰り返すうちに生活費にも事欠き、その補てんのために借金を重ねてしまいました。
でも、「借金=悪いこと」と思っていたので誰にも相談できず、気がついたら返済不能な金額に。それで目が覚めて、ようやく両親に返済のためのお金を借りました。ところが、そのお金をまた買い物に使っちゃって……。それでまた借金が増え、最終的には120万円になってしまいました。
結局また両親に泣きつき、一括返済をしました。今は親に返済中です。
10年前、35年返済プランの住宅ローン(頭金なし、4,000万円)で家を買いました。完済する頃には80歳近いですが、仕事は順調だったので繰り上げ返済も可能だと思いました。
ところが、子供が受験で浪人した末に私立大の医療系学部に進学。教育費が想定外にふくらみ、繰り上げ返済どころではなくなりました。さらに役職定年で収入が大幅ダウンしたため、住宅ローンが家計を圧迫して生活費が不足するように。その補てんのため、カードローンや消費者金融にも手を出してしまったのです。結果、多重債務で借金地獄に陥りました。今思えば、無理に家を買ったのが間違いでした。
このように状況でも、脱却方法はあります。
ここからは、ギャンブルや浪費で借金地獄に陥りそうな場合の対策や、意図せず多重債務に陥らないための対応についてご説明します。
まずは、自力でできる対応策について見ていきましょう。
ギャンブルや浪費で借金を作った場合は、「借金=安易にお金が入る」という考えを捨て、「借金=辛く苦しいもの」と考える必要があります。
まず、借金の原因となるクレジットカードを使えない環境を作ります。一番いいのは、カードにはさみを入れてしまうことです。その上でコツコツ返済するのが最も効果的です。
カードが使えない不便さはありますが、「二度と返済で苦しい状態に戻るまい」という気持ちになり、借金地獄から抜け出すことも可能となります。
借金を早く返済するには、とにかく元金を減らすのが先決です。そのためにも、現在の収支をもとに、よりスムーズに元金を返済できるプランを立てる必要があります。可能なら繰り上げ返済を視野に入れましょう。
繰上げ返済とは、毎月の返済額とは別に返済することです。通常よりも多く返済することで、当然借金の残高は少なくなります。それにより利息が減り、返済の総額が安くなることがメリットです。
また、状況が変わったらその都度返済プランを見直し、延滞などが起こらないようにすることも必要です。
おまとめローンとは、複数の金融会社への借金を一本化することです。
複数業者の借金をまとめることで、月々の返済額を少なくできます。
銀行系のおまとめローンなら、消費者金融やリボ払いよりも金利が低く設定されていることが多いですし、そもそも複数の貸金業者から借り入れるよりも、1社から借り入れたほうが金利が低いケースがほとんどです。
しかし、返済期間が長くなってしまうので、利息分がどんどん膨らんでいき、借金総額がまとめる前よりも増えてしまうという可能性あります。
自力での借金完済が難しければ、弁護士や司法書士が行う債務整理も検討しましょう。主な債務整理の選択肢には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」があります。
任意整理は弁護士や司法書士が直接債権者(借り入れ先)と交渉して借金残高を減らす方法です。
最大のメリットは、将来発生する利息(将来利息)を交渉によってカットし、返済総額を減らせる点です。
借金の返済が難しいのは、利息の存在です。「利息の返済に追われ、残高が減らない」状態という方も多いのではないでしょうか。その利息をカットすれば、支払った分だけ残高を減らせます。
また、手続きが始まることを伝える「受任通知」によって、金融会社からの督促を止めることができますし、裁判所での手続きがないので周囲に知られにくい、というのもメリットです。
一方、デメリットは他の債務整理よりも借金の減額幅が小さいことや、信用情報機関の金融事故情報(ブラックリスト)に掲載されることです。任意整理をすると、最低5年間はローン契約やクレジットカードを利用できません。
個人再生は、裁判所での手続きにより借金を5分の1程度まで減額できる債務整理です。
メリットには、家を失うことなく借金を大きく減額できること、手続き後は金融会社からの督促が止まることなどが挙げられます。
一方、こちらも信用情報機関の金融事故情報として記録され、クレジットカードやローン契約の利用が5~10年できなくなります。さらに事実が官報に載るので周囲に知られるリスクが高いほか、借金の請求が保証人に行くので迷惑がかかるというデメリットもあります。
自己破産は裁判所を介してすべての借金を免除してもらう債務整理です。
自己破産も裁判所での手続きがあるので官報に載ります。
家などの財産は失いますが、借金全額の返済義務が免責されるのがメリット。
ただし、ギャンブルや浪費による借金の場合は自己破産できません。
他にも、借金返済の義務が保証人などに移って多大な迷惑をかける、任意整理よりもブラックリスト期間が長い(原則5〜10年)やクレジットカードを利用できなくなる、などのデメリットもあり、リスクが高い債務整理といえます。
借金地獄に陥りやすい4つのパターンのうち、当てはまるものがあったでしょうか? 意外かもしれませんが、特に浪費もせず普通に暮らしている方が突然のアクシデントなどで生活苦に陥り、借金地獄にはまってしまうケースが多くあります。
債務整理はケースに応じて最適な選択が異なりますが、「最適な判断」は個人だと難しいので、プロに相談して正しい選択をするのがよいでしょう。それが脱出の第一歩になります。
まずは自分でできる対策を試してみて、そのうえで自力での解決が困難だとわかった場合は弁護士などの専門家に相談しましょう。債務整理も含めたベストな解決策を見つけてくれるはずです。
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2022.03.10 公開