「任意整理をした後でも住宅ローンって組めるの?」
「任意整理すると、残っている住宅ローンはどうなるの?」
結論からいうと、任意整理をすると原則約5年間住宅ローンを組めなくなります。
また、住宅ローンが残っている状態で任意整理をすると、住宅が没収される可能性があります。ただし住宅ローンを任意整理の対象から外せば回避可能です。
では、任意整理をした人が住宅ローンを組むにはどうすればいいのでしょうか。
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2021.12.28 更新
「任意整理をした後でも住宅ローンって組めるの?」
「任意整理すると、残っている住宅ローンはどうなるの?」
結論からいうと、任意整理をすると原則約5年間住宅ローンを組めなくなります。
また、住宅ローンが残っている状態で任意整理をすると、住宅が没収される可能性があります。ただし住宅ローンを任意整理の対象から外せば回避可能です。
では、任意整理をした人が住宅ローンを組むにはどうすればいいのでしょうか。
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任意整理をした本人は最低5年は住宅ローンが組めない
任意整理すると、いわゆるブラックリスト入りになり、原則5年は住宅ローンが組めません。任意整理後に住宅ローンを組みたいという人は以下の方法を取りましょう。
任意整理する段階で住宅ローンを整理の対象から外すことで、ローンを解約されることはありません。
目次
任意整理をしても、借金を完済したらまた住宅ローンを利用したいという人もいるでしょう。
そもそも任意整理をすると、その後約5年間、住宅ローンを利用できなくなる可能性があります。任意整理とは、債権者と交渉をして返済の負担を減らす手続きです。具体的には以下のような交渉をします。
借金の返済が苦しい最大の要因は「高い利息がかかること」です。任意整理によって利息をカットできれば、必然的にトータルの返済額も減ります。
また返済期間を延長することで、月々の負担も軽減できます。
このように、任意整理をすると苦しい借金の返済が楽になって、無理なく支払いを継続していけるようになります。
任意整理をする人の中には、借金があるけれど将来はマイホームを購入したいという夫婦もいることでしょう。ところが、任意整理をすると住宅ローンが利用できなくなる可能性があるのです。
任意整理だけではなく、過払い金請求以外の債務整理の手続き、特定調停や個人再生、自己破産を利用しても、原則住宅ローンは利用できません。
任意整理をすると、なぜ住宅ローンを利用できなくなるのでしょうか。また、任意整理後、住宅ローンを利用できない期間がどのくらいなのかも知っておきたいところです。
任意整理をすることによって住宅ローンを利用できなくなるのは、個人信用情報に事故情報が記録されるからです。
個人信用情報とは、個人の借入や返済などについての履歴などの情報です。そして、個人信用情報は、信用情報機関において保管されています。指定情報機関にはCICとJICC、KSCの3つがあります。
銀行や信用金庫は、このなかでもKSCに加盟しています。銀行や信用金庫、住宅金融支援機構などの金融機関は、住宅ローンの審査時に、加盟している信用情報機関(多くの場合にはKSC)の個人信用情報を確認します。
そして、特に問題がなく、信用できる人であれば審査に通して住宅ローンの貸付を行いますが、借入返済履歴に問題がある人は審査に通らなくなる可能性が高くなります。
実は、任意整理などの債務整理の手続きを利用すると、この個人信用情報にネガティブ情報である事故情報が記録されてしまいます。すると、住宅ローン審査の際に事故情報があることが判明して、過去に債務整理したことがわかり、審査落ちしてしまうのです。
個人信用情報に事故情報が記録されている状態のことを、俗に「ブラックリストに載る」ともいいます。ブラックリスト状態である以上は、住宅ローン審査に通らないので、どれだけ収入が高くても上場企業に勤務していても、勤続年数がどれだけ長くて信用力があっても住宅ローンの審査に通らず、ほとんどの金融機関で住宅ローンを利用できません。
任意整理をしたからといって、一生ブラックリスト状態になってしまうわけではありません。どの信用情報機関でも、手続き後一定期間が経過したら、任意整理による事故情報は消去されます。
任意整理による事故情報が消去されるまでの期間は、原則として手続き後5年です。よって、任意整理をした後5年ほど経過すれば、また住宅ローンを利用できる可能性があります。
任意整理によって借金を完済したとしてもブラックリスト状態から解放されるとは限らない点に注意が必要です。
任意整理後の支払い期間はだいたい3年~5年程度に定めることが多いです。早期に返済してしまいたいという理由で、それより短く、1年程度にする場合もあります。このように、5年よりも短い返済期間を定めた場合、完済したとしても住宅ローンを利用することはできません。
例えば返済期間が3年のケースでは、任意整理による借金の完済は手続きの3年後になります。このケースでは、さらに2年間は住宅ローンを利用できないことになってしまうのです。
任意整理後の支払いを遅延した場合には、遅延分を支払った延滞状態の解消後、さらに5年の期間が必要になるケースがあります。
例えば任意整理後の支払いを4年と定めた場合、手続きの2年後に返済を遅延してしまったとします。この場合、遅延状態を解消したとしても、その時点からさらに5年間は事故情報が残ってしまう可能性があるのです。
このように返済遅延を繰り返すと、最終的に債権者への借金完済後5年間経過しないと、ブラックリスト状態から解放されなくなってしまう可能性があります。したがって、任意整理後の支払いは延滞しないことが重要です。
任意整理をした場合のブラックリスト期間は、他の債務整理手続と比べて短いです。債務整理には「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」があります。
任意整理と特定調停は事故情報の記録期間が同じで、手続き後5年間になります。これに対して、個人再生や自己破産の場合には、事故情報の記録期間が信用情報機関によっては10年になります。具体的には、CICとJICCの場合には手続き後5年間、KSCの場合には手続き後10年間は事故情報が残ってしまいます。よって、個人再生や自己破産を利用すると、その後10年間は住宅ローンを利用できなくなる可能性が高いと言えるでしょう。
CIC | 任意整理の手続き後5年 個人再生と自己破産の手続き後5年 |
---|---|
JICC | 任意整理の手続き後5年 個人再生と自己破産の手続き後5年 |
KSC | 任意整理の手続き後5年 個人再生と自己破産の手続き後10年 |
ブラックリスト状態になると、まずは住宅ローンの利用ができなくなります。また、車のローンや教育ローンなどもすべて利用することは不可能です。個人事業者が事業用のローンを利用するもこともできません。民間のローンだけでなく、国のローン(日本政策金融公庫のローンなど)も利用できなくなります。そして、自分名義でクレジットカードを発行することもできなくなります。
さらに、消費者金融のキャッシングも、カードローンも利用できません。他者の借入の保証人になることもできないので、配偶者が住宅ローンを組む場合の連帯保証人にもなれません。子どもが奨学金を借りる際の連帯保証人にもなれません。さらに、商品やサービスの分割払いも不可能です。このことによって、例えば携帯電話やスマホの端末代の分割払いもできません。
機種変更や新規機種を購入する場合、何万円もする端末代を一括払いしなければならず、大変な負担になります。賃貸住宅の契約については、基本的には問題なくできますが、家賃の支払い方法でクレジットカードを利用したり、信販会社を利用する契約の場合には賃貸の審査に通らない可能性があります。
このように、ブラックリスト状態になると、住宅ローンが利用できないだけではなくさまざまな不利益があります。
これは、個人信用情報を参照するのは銀行や信用金庫だけではなく、貸金業者など、多岐に及ぶからです。審査のために個人信用情報を参照するのは、消費者金融やクレジットカード会社、信販会社、日本政策金融公庫や住宅金融支援機構、日本学生支援機構などです。
個人信用情報に事故情報が記録されてブラックリスト状態になると、いろいろと不便があるものの、ブラックリスト状態になるのは任意整理などの債務整理をした場合に限られません。
借金の返済を長期延滞した場合にも、同じように事故情報が登録されてしまいます。この場合の事故情報のことを延滞情報などともいいます。借金返済の遅延によって信用情報機関に延滞情報が記録されるのは、延滞後61日~3ヶ月くらい経ったときです。それまでの間に遅延解消した場合には、ブラックリスト状態にならずに済みます。
いったん借金の返済を延滞することによってブラックリスト状態になってしまうと、やはりその状態が相当な期間続いてしまいます。具体的には、遅延状態の解消後5年程度は延滞情報が記録され続けます。
そこで、借金を2、3ヶ月間返済せずに放置していると、その後延滞状態を解消したとしても、5年間は住宅ローンはじめとしたローンやクレジットカードなどが利用できない状態になってしまうのです。
借金の返済を遅延することによってブラックリスト状態になった場合でも、任意整理などの債務整理が原因でブラックリスト状態になった場合と同じような不利益があります。
このときにも、住宅ローンや車のローン、教育ローンや事業融資などが受けられなくなるし、他者の借入の連帯保証人になれないことも同じです。携帯電話などの商品の分割払いもできないし、クレジットカード払いを利用した住居の賃貸契約も利用できないケースがあります。
このように、借金の返済を遅延すると、債権者から督促が来る以外にもデメリットが大きいので、くれぐれも遅れないように注意しましょう。
借金の返済の延滞状態を放置していると、債権者から厳しい取り立てをされるというリスクもあります。借金の返済が遅れると、まずは消費者金融などの債権者から支払の督促の電話やハガキなどの連絡が来ます。
ここで遅延を解消すれば問題はさほど大きくなりませんが、返済をせずに放置していると、残金の一括請求書が送られてきます。
さらに放置すると、最終的に債権者から財産の差し押さえを受けてしまう可能性があります。
差し押さえの対象となる財産は、債務者の預貯金や生命保険、不動産や株式、投信などのすべての財産です。預貯金や生命保険などが強制解約されて、債権者に支払われてしまうのです。家がある場合には競売にかけられて、それ以上住めなくなってしまうこともあります。
さらに困るのが給料差し押さえです。サラリーマンなどの給料も、財産として差押の対象になってしまいます。
給料を差し押さえられるのは、かなり厳しいですね。
給料が差し押さえられると、毎月手取りの4分の1の金額が債権者に取られてしまいます。
※給与から法定控除額を引いた額が44万円以上の場合は、33万円を引いた金額が差し押さえ対象となります。
つまり、自分の手元にはそれまでの4分の3の金額しか入ってこなくなるのです。
このような状態になると、生活にも支障が発生します。特に家族がいる場合などでは、家計に響くので大問題になるでしょう。もはや、住宅ローンどころではなくなります。
借金の返済が苦しいからといって、くれぐれも放置しないようにしましょう。債権者からの取り立てはもちろん、ブラックリストへの登録や一括請求、差し押さえなど、生活が破綻してしまう事態に陥りかねません。このようなことになる前に、任意整理などの債務整理で解決する必要があります。
債務整理する場合には、いろいろと専門的な判断や手続きが必要になるので、弁護士や司法書士などの法律の専門家に依頼するのが良いでしょう。
任意整理をした事実が、信用情報機関に記録されるのは、本人の事故情報のみです。
配偶者や子どもなど家族の信用情報には、まったく影響はありません。したがって、任意整理をしても家族名義であれば住宅ローンの利用が可能です。同じように、家族名義であればクレジットカードの発行や、子どもの奨学金の連帯保証人などになる可能性があります。
このように、自分がブラックリスト状態になってローンやクレジットカードなどを利用できなったときには、家族名義でのローン申請をしたり、カードを作ったりする方法が役立ちます。
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2017.12.02 公開