債務整理は司法書士に相談したほうが安い?推奨されるケースを解説!
2021.12.28 更新
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この記事のポイント
- 「司法書士のほうが費用が安い」とは一概にいえない
- 司法書士は140万円以上の借金に対応できない
- 弁護士は貸金業者との交渉や「個人再生」「自己破産」にも対応できる
- 借金があっても着手金や報酬金を支払う方法もある
目次
どちらが「安い」とはいい切れない、司法書士と弁護士の費用
債務整理における費用は、弁護士より司法書士が安いといわれることが多いようです。
しかし、一概にどちらが高い(安い)とはいえない部分もあります。司法書士と弁護士の費用は、事務所によって大きく違うからです。
それを踏まえたうえで、司法書士や弁護士に債務整理を依頼する場合は、どのような点を確認すればよいのでしょうか。
債務整理のなかでも選ばれることが多い「任意整理」を依頼した場合の相場や、費用の内訳、注意すべき点などについてご説明します。
着手金に報酬金、手数料…任意整理の依頼にはいろいろな費用が必要
はじめに、司法書士・弁護士に共通する任意整理の費用項目について説明します
相談金 | 司法書士や弁護士に対する相談料。無料のケースもある |
---|---|
着手金 | 任意整理の手続きを弁護士や司法書士に正式に依頼した際に発生する費用 |
報酬金(成功報酬) | 任意整理により借金問題が解決した際に払う費用。解決報酬金と呼ばれる場合もある |
報酬金(減額報酬) | 貸金業者が求めた返済額と実際に払った返済額との差額(減額できた金額)から支払う費用 |
報酬金(過払い報酬) | 過払い金が合った場合、戻ってきた金額に応じて払う費用 |
手数料 | 事務手数料、振込代行手数料など、事務処理に関連する費用 |
以上の費用は、「着手金+基本報酬」というようにまとめて支払う場合もあります。
司法書士に任意整理を依頼した場合の相場
続いて、司法書士に任意整理を依頼した場合の費用相場を確認しましょう。
定額費用 (着手金・成功報酬) |
約5万円以内 |
---|---|
減額報酬 | 減額できた金額の約10% |
借り入れ状況によっては、過払い金が戻ってくることもあります。その場合は、過払い金報酬(返戻金の20%または25%)も発生することもあります。
弁護士に任意整理を依頼した場合の相場
一方、弁護士報酬の相場は次のようになっています。
着手金 | 1社あたり約2万円~5万円 |
---|---|
成功報酬 | 1社あたり約2万円~5万円 |
減額報酬 | 減額できた金額の約10% |
借り入れ状況によっては、過払い金が戻ってくることもあります。その場合は、過払い金報酬(返戻金の20%または25%)も発生することもあります。
司法書士に依頼するほうが安いケースは多い
任意整理の費用に関して「弁護士よりも司法書士に依頼するほうが安い」といわれることは多いです。
その要因には、司法書士会(日本司法書士連合会)と日弁連(日本弁護士会)の規定の違いがあります。
司法書士会では、任意整理における定額報酬の上限を1社あたり5.5万円(税込)と定めています。そのため、司法書士事務所では報酬が5.5万円(税込)以上になることはありません。
一方、日本弁護士会(日弁連)では成功報酬の上限が2.2万円(税込)以下(※商工ローンは5.5万円以下(税込))、減額報酬金は減額分の11%以下(税込)という規定が設けられています。
しかし着手金については上限の規定がなく、事務所が任意で金額を決められるため、トータルの費用は高額になる場合もあります。
以上のことから、着手金に上限がない弁護士より、報酬に上限がある司法書士のほうが任意整理にかかる費用が安くなることが多いのです。
しかし、費用だけを判断基準にして司法書士へ任意整理を依頼してしまうと、債務整理がうまく進まない可能性もあります。
司法書士への依頼を検討している場合は、以下の記事を読んで判断してみてください。
「費用だけで判断」は危険?司法書士と弁護士の扱える案件の違い
司法書士へ依頼すると、任意整理の費用を安く抑えられるメリットがあります。
しかし、弁護士に比べて司法書士は「扱える案件」が限られているのです。
司法書士が対応できる債務整理業務は限られている
司法書士は、不動産や会社などの登記に特化した専門家です。
業務範囲は、裁判所、検察庁、法務局に提出する書類の作成や提出代行など限られた領域です。
たとえば、任意整理における貸金業者との交渉や、「個人再生」「自己破産」など裁判所で行う債務整理の代行手続きを請け負うことができません。
※「認定司法書士」の資格があれば弁護士と同じ交渉業務などを請け負えるケースもあり、任意整理を請け負う司法書士事務所も存在します。下記で詳しく説明します。
弁護士は貸金業者との交渉や「個人再生」「自己破産」にも対応できる
弁護士は、法律業務全般に対応できます。
書類の作成や提出代行といった司法書士が行う業務はもちろん、民事・刑事を問わず代理人として裁判に出廷すること、任意整理における貸金業者との交渉など、司法書士には対応できない幅広い法律業務も請け負うことが可能です。
そのため、貸金業者との交渉や、「個人再生」や「自己破産」などの債務整理にも対応できます。
弁護士と同等の業務にも対応できる「認定司法書士」
2003年から、一定の条件を満たした司法書士は限定的ながら弁護士と同等の業務に対応できるようになりました。
その資格が「認定司法書士」です。簡裁等関係業務認定考査試験に合格することで取得できます。
認定司法書士は、請求額が140万円までの民事紛争に限り、依頼人に代わって民事訴訟などを行う「簡裁訴訟代理等関係業務」が可能です。
また、1社あたりの債務額が140万円までの任意整理については、弁護士と同じように貸金業者との交渉で利息のカットや借金の減額などに対応できます。
認定司法書士がいる司法書士事務所においては、弁護士事務所より安い費用で任意整理を請け負うケースが増えています。
司法書士は140万円以上の借金には対応できない
しかし、認定司法書士が債務整理を代行するにも限度があります。
140万円を超える借金の任意整理や個人再生、自己破産における依頼人の代行手続きはできません。
また、借金の原因がギャンブルや浪費で、かつ20万円以上の財産がある人が自己破産する場合は「管財事件」となり、裁判所に納める予納金が約50万円必要になります。
その点、弁護士ならすべての債務整理に関して代行手続きができます。
また「管財事件」を予納金20万円の「少額管財」にすることもできるため、依頼人の経済的・精神的な負担を軽減することも可能です。
このようなことも考えると、司法書士よりも弁護士に相談したほうがさまざまな状況に対応しやすいといえるでしょう。
借金でお金がなくても、着手金や報酬金を支払う4つの方法
弁護士は司法書士と違ってすべての法律業務をカバーしているので、安心して依頼できるといえます。
また、費用の支払いについても柔軟に対応してもらえるケースもあるようです。
費用に関する不安がある場合は、以下のような選択肢を検討してみましょう。借金があって費用の支払いに不安がある方でも、債務整理できる可能性が広がります。
費用の分割払いに対応している事務所を選ぶ
弁護士事務所の中には、費用の分割払いに対応しているところがあります。
その場合は、無理なく残りの借金返済と費用の支払いを両立できる可能性が高いといえるでしょう。
後払い制度を用意している事務所を選ぶ
任意整理の依頼時に払う着手金を無料にしたり、費用の後払いに応じてくれたりする事務所もあります。
任意整理の費用捻出が困難な場合は、そのような事務所で支払い方法について相談してみるとよいでしょう。
法テラスを利用して全額立て替えてもらう
国が設立した法的トラブルを解決する総合案内所「法テラス」の「民事法律扶助制度」を利用し、債務整理にかかる費用を全額立て替えてもらう方法もあります。
民事法律扶助制度は、経済的に余裕がない方を支援する公的な制度です。
無料で相談でき、弁護士費用を立て替えてもらえます。立て替え費用は、債務整理終了後に分割払い(月5,000円~)で返還します。
債務整理を依頼すると返済が一時的にストップする
事務所へ債務整理を正式に依頼すると、貸金業者へ「受任通知」が送られます。
それによって督促(取り立て行為)がなくなり、一時的に返済もストップします。
返済が止まることで金銭的に余裕が生まれ、債務整理の費用を捻出できます。
最適な解決方法を選んで、借金生活にピリオドを
任意整理の費用は、弁護士より司法書士のほうが安くなるケースが多いといえます。借金が貸金業者1社あたり140万円を下回っており、なおかつ費用を抑えたい場合は、司法書士に相談するのも一つの方法でしょう。
ただし、1社につき140万円を超える借金がある場合や、個人再生・自己破産に至りそうな場合は、裁判所で依頼者の代理人ができる弁護士に依頼する必要があります。
そのような場合には、費用面で柔軟に対応してくれる弁護士事務所や法テラスを利用すれば、任意整理の費用を払える可能性が高いでしょう。
借金の返済に悩み、任意整理を本気で考えている方は一度、弁護士事務所や法テラスなどに相談してみてはいかがでしょうか。
あなたにとって一番よい解決方法を選んで、借金生活にピリオドを打ちましょう。
借金減額診断とは?
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2019.04.01 公開