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自己破産の費用相場|払えない時の対処法と弁護士・司法書士の比較

2022.05.08 更新

自己破産の費用っていくらかかるの?」 「借金も返せないのに、弁護士費用なんて支払えない…」 自己破産には、大きく分けて3種類の手続きがあります。 自己破産の費用はどの手続きをとるかによって異なります。 このページでは自己破産にかかる費用の相場はもちろん、費用を支払えない場合の対処法についてもご紹介します。

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この記事のポイント

自己破産にかかる費用は手続き(同時廃止/少額管財/通常管財)によって異なります。 ご自身がどの手続きに該当するかについては、以下の条件を参考にしてみてください。 〈A〉 おおむね20万円を超える財産を持っていない方…同時廃止 〈B〉 Aには当てはまらないが弁護士に依頼して自己破産手続きを行おうとしている方…少額管財 〈C〉 A、Bどちらにも当てはまらない方…通常管財

A 同時廃止
費用 : 約30万円
  1. 財産の差押えなし
  2. 裁判所費用もほぼかわらない

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B 少額管財
費用 : 約50万円〜
  1. 財産を清算する手続き
  2. 数十万の予納金がかかる
  3. 個人向けの簡易手続き

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C 通常管財
費用 : 約70万円〜
  1. 財産を清算する手続き
  2. 数十万の予納金がかかる

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上記の自己破産にかかる費用を見て 「交際費や食費も削る生活なのに、こんなに費用がかかるなら自己破産はできない…」と思う方も多いかと思います。 そのような場合は以下の対処法があります。
自己破産費用が支払えないときの3つの対処法
  1. 法テラスを利用する
  2. 弁護士費用を分割払いにする
  3. 自分で自己破産手続きをする
上記の方法は状況次第でできないこともありますので、ご自身に合った対処法や費用総額を詳しく知りたい場合、弁護士事務所に相談することを検討しましょう。

自己破産をするときに負担しなければいけない費用

自己破産には「実費」と「弁護士費用」がかかる

自己破産をすることになった場合、実は、弁護士費用やそのほかの諸手続きにかかる費用は自己負担しなければなりません。

自己破産をする場合にかかる費用は、大きく分けると「弁護士費用」と「裁判所への費用」の2つです。

弁護士費用
  • 着手金
  • 成功報酬(報酬金)
裁判所への費用
  • 印紙代(申立て手数料)
  • 郵便切手代
  • 予納金

自己破産の手続きを弁護士に依頼する場合、以下の費用がかかります

着手金
弁護士に手続きを依頼したときに支払う。
成功報酬(報酬金)
自己破産の手続きが成功した際に支払う。

裁判所費用とは、裁判所が手続きを行うにあたっての手数料のようなものであり、自己破産をするうえで必ずかかる費用です。

印紙代(申立て手数料)
自己破産を申立てるときに必要な費用。指定された印紙を購入し、申立て書に貼り付けて提出する。
郵便切手代
債権者(消費者金融や銀行など)への通知のために必要となる。
予納金
自己破産をしたことを官報に掲載するための費用や、破産管財人に支払う費用。

自己破産の流れや必要書類、裁判所とのやりとりについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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弁護士費用や裁判所への費用は、事務所や地域によって多少異なります。弁護士への相談時にしっかりと確認しておきましょう。

自己破産の費用が払えない…とるべき手段とは

自己破産費用の払い方

分割払い対応の弁護士事務所に依頼する

自己破産を検討している方にとって、弁護士費用を用意することは楽なものではないと思います。そこで、分割での支払いにも応じてくれる弁護士事務所を検討しましょう。分割払いの金額は事務所によって異なります。

裁判所に支払う費用は、一括で支払うことが原則ですが裁判所によっては分割での支払いが可能なケースもあります。

国の機関である法テラスを利用する

自己破産にかかる費用を支払うことが厳しい場合は、「法テラス」という法的な援助を受けることができます。

法テラスは、収入が低い方や生活保護を受けている方など弁護士費用を支払うことが難しい人のために、立て替えてくれる国の施設です。

あくまで一時的な立て替えですので、弁護士費用が免除されるわけではありません。
急いで自己破産を行いたい場合など、早急に手続きを開始する必要がある場合は、大変便利な制度です。

弁護士に頼らず自分で手続きすることも可能

自己破産の手続きを自分で行うことで費用は抑えることができます。弁護士費用はおよそ30万円くらいかかるので、その費用がそのまま浮くとなるとかなり費用を削ることができます。
しかし、自力で自己破産手続きを進めることにはデメリットが3つあります。

  1. 必要書類が大量にあり、資料作成に膨大な時間がかかる
  2. 管財事件の場合、少額管財にできない
  3. 債権者との交渉は専門家でないと対応ができない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.必要書類が多く作成に時間がかかる

自己破産に必要な書類は専門性が高いため、精通していない限り、記入漏れや誤りが発生する可能性があります。
また必要書類は約20種類ほどあり、これらの作成に少しでも不備があると提出は受理されません

2.管財事件の場合、少額管財にできない

少額管財の手続きは、弁護士が代理人の場合にだけ用いられる手続き方法です。
そのため、本人が申立てた場合には、少額管財は利用できません

少額管財の方が通常管財より約20万円以上安いので、これはデメリットとなります。

3.債権者との交渉が難しい

個人で自己破産手続きをする際に困難なのは債権者との交渉です。
自己破産の申請をすると債権者側から訴えられたりする場合があります。

それらへの対応は難しい可能性があるため、法律の専門家に任せた方がスムーズです。

以上の3つの理由から、費用はかかるものの法律の専門家に依頼するメリットは大きいと言えるでしょう。

自己破産の手続きにかかる裁判所への費用

自己破産の手続きには「同時廃止」「管財事件」「少数管財」という3つの方法があり、それぞれかかってくる費用が異なります。

3つ手続きの違いを以下で詳しく解説します。

(1)管財事件とは

自己破産費用管財事件

自己破産の管財事件(通常管財)ってなに?

一般的な破産の手続きは、

  1. 破産する人の財産を売却する
  2. 売却で得たお金を債権者に渡す
  3. 残った借金はゼロにする

といった流れになります。

上記の売却手続きを担当する人を「破産管財人」と呼びます。
この管財人が選任される事件のことを「管財事件」(通常管財)といいます

管財事件では管財人に支払う報酬が必要となるため、裁判所に払う費用がおよそ50万円ほどにになります。

財産をある程度持っている、または借金の原因が浪費やギャンブルなどである場合は、管財事件として手続きがなされます。
そのため、弁護士に相談して「自分のケースが管財事件になるのか分からない…」「管財事件になるとしたら費用はいくらかかるの?」といった疑問を解決しておきましょう。

管財事件となった場合の弁護士費用も、ケースによって大きく変わりますが、一般的に弁護士費用はおよそ40万円~70万円ほどかかります。

(2)同時廃止とは

自己破産費用同時廃止

自己破産の同時廃止ってなに?

同時廃止は一般的な手続きと少し流れが異なります。

管財事件の場合は、自己破産をする人の財産の売却の手続きを担当する「破産管財人」と呼ばれる人が、裁判所によって選任されます。

しかし同時廃止(売却するほどの高額な財産がない)の場合、裁判所は管財人を選任しません
そのため、破産手続きの開始決定と同時に、破産手続きが終了します。

同時廃止は、管財人が選任されるケースと比べると、

  1. 期間が短い
  2. 手続きが簡単
  3. 裁判所に支払う費用が数万円程度

といったメリットがあります。

弁護士事務所によって異なりますが、弁護士に支払う費用は約30~40万円程度です。
同時廃止のケースでは、弁護士費用を安く設定している事務所もあります。破産をお考えの方は、一度弁護士に相談することを検討してみましょう。

(3)少額管財とは

自己破産費用少額管財

自己破産の少額管財ってなに?

少額管財とは、管財事件の中でも手続きがシンプルで、裁判所に払う費用も安くすませられる方法です。
裁判所によって異なりますが、東京地裁の場合は予納金が20万円に設定されています。
通常の管財事件に比べると、30万円以上も安く設定されています

ほかにも少額管財には

  1. 管財事件の中でも、財産の種類が少ない
  2. 迅速に手続きを進めることができる

といった特徴もあります。

弁護士費用の相場は、少額管財の場合およそ30万円~50万円です。
負債額が高額である場合は、これ以上かかることもあります。

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なお、少額管財を利用できる裁判所は限られており、日本全国の裁判所で利用できるわけではありません。
少額管財を利用したいとお考えの方は、一度弁護士に相談して「自分のケースで少額管財が利用できるのか分からない…」といった疑問を解決しておきましょう。

「同時廃止」「管財事件」「少額管財」についてはこちらの記事でさらに詳しく紹介しています。

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「同時廃止と管財事件ってどう違うの?」「自分はどちらの手続きになるんだろう?」自己破産の手続きは、あなたがどれほど財産をもっているかで以下の2種類に分けられます。 同時廃止 管財事件どちらの手続き方法

裁判所に払わなければならない「予納金」

自己破産する場合、裁判所に手続きを始めるにあたり「予納金」を納付しなくてはなりません。例えていうなら裁判所に対する「手付金」「着手金」のようなものです。

特に「管財事件」の場合、裁判所から選ばれる破産管財人の業務は深い法的知識が必要で、財産の種類が複雑で多岐にわたることも多いため、それなりの報酬が必要になります。

管財事件の場合は高額になる

同時廃止は破産申立からすぐに手続きの終了、免責手続きへと移るため破産管財人を選任する必要がありません。このことにより、同時廃止は予納金を納める必要もありません

債権者の数にもよりますが、同時廃止の場合の裁判所への費用は1万円から2万円程度で済む人が多いです。債権者の数で違ってくるのは、通信費などが債権者の数に比例してかかってくるからです。

一方で、管財事件の場合は最低でも20万円程度の予納金を納めなくてはなりません
ちなみに通常、破産管財人には弁護士が選ばれます。財産の換価(お金に換える)や配当(債権者への分配)などを行うため、法律の専門家が必要になります。

弁護士に依頼する場合
  • 弁護士費用が約30万かかるが、予納金を節約できる制度があるため、実質0円になる。
    =あまり費用は変わらない
  • 弁護士が債務者に代わって複雑な手続きをしてくれる
弁護士に依頼しない場合
  • 弁護士費用はかからないが、専門的な知識が必要な20種類ほどの書類を自分でしなければならない。
  • 債権者との交渉を自分でしなければならない。

自己破産をお考えの方は、一度弁護士に相談して、ご自身のケースではいくらぐらいの費用がかかるのか確認することを検討しましょう。

法テラスを利用すれば予納金は立て替え可能

自己破産を考えている人の中には、予納金の支払いが困難である人もいるかもしれません。そのような場合、裁判所によっては、管財事件への振り分けがされてから最大半年程度まで支払いを待ってもらえることもあります。ただ、これはあくまで裁判所ごとに判断が異なります

また、生活保護者の場合は「法テラス」で弁護士費用や裁判所に支払う予納金を借りることが可能です。そして手続き終了後も生活保護の状態であれば返還が免除されることがあります。

弁護士と司法書士どちらが手続き費用は安い?

司法書士に支払う費用は、事務所によって異なります。一般的な司法書士の相場は、およそ20万円から30万円くらいです。管財事件の場合と同時廃止の場合で費用を分けている事務所もありますし、どちらも同じ金額を設定している事務所もあります。

負債総額によって費用を分けている事務所もあります。一般的には、負債総額が高ければ高いほど、費用は高額になります。

司法書士へ自己破産の手続きを依頼した場合の費用は弁護士へ依頼した場合よりも安くはなります。しかし、自己破産には弁護士へ依頼した方がいいメリットがあります

司法書士に依頼した場合は、自己破産の申立て書類を作成してくれますが、代理人となることはできません。そのため裁判所に一緒に出頭してくれることはありません。裁判所に出頭するスケジュールは、あなたが一人で裁判所とやり取りをしなければいけません。

弁護士に依頼すれば、あなたの代理人となり、裁判所とのやり取りを任せることができます。あなたが裁判所に出頭する必要がある際には、弁護士が付き添ってくれます。

【まとめ】自己破産の費用は手続き方法で決まる

自己破産にかかる費用は手続き(同時廃止/通常管財/少額管財)によって異なります。
また、その手続きになるかについては、あなたの財産状況などによって裁判所が判断します。

自己破産の手続きと費用
全く財産がない場合 同時廃止(約30万円)
ある程度財産がある場合 管財事件(約70万円)
財産はあるが少ない場合 少額管財(約50万円)

また、「弁護士に依頼するのか」「借金をした理由」によっても費用に違いがでます。
「自分がどの手続きになるのかわからない…」という方は、一度弁護士に相談をして教えてもらうこと検討してみてはいかがでしょうか?

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2022.05.07 公開

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