「自己破産の手続きを始めて、借金がゼロになるまでの期間ってどれくらい?」
「自己破産の手続きにかかる期間を短くしたい…」
自己破産をしたいと考えているけど、具体的にどんな手続きがあってどれくらいの期間がかかるのかというイメージがつかめず、なかなか自己破産に踏み切れない事もありますよね。
自己破産の手続きを弁護士に依頼してから、免責が下りて借金がゼロになるまでの期間は通常は6ヶ月程度。
大まかに分けると、
・破産申し立ての準備
・破産手続きの申し立て
・免責手続きの申し立て
の3つのステップがあります。
一方で、自己破産よりももっと手軽に手続きできる任意整理という手段も存在します。
なかなか決断できないという人も、専門家に相談してご自身の状況にあった解決方法を見つけるのも一つの手段でしょう。
この記事では、
- 自己破産手続きの具体的な流れと期間
- 自己破産手続きの期間を早く済ませる方法
- 自己破産によるデメリットがある期間
について詳しく解説していきます。
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自己破産の具体的な期間や手続き・費用
自己破産の手続きには「同時廃止」と「管財事件」の2種類があります。
同時廃止とは...?
財産がなく(20万円未満)、破産手続費用を支払うことができないと認められた場合の手続きのこと。自己破産手続きをする人の約7割が同時廃止で手続きしています。
管財事件とは...?
破産者が企業であったり、財産がある場合(20万円以上)の自己破産における手続きのこと。同時廃止が破産手続きを開始と同時に免責許可の手続きを進めるのに対し、管財事件は財産の調査や処分、貸金業者など債権者への配当などが必要になります。
両者でそれぞれ、費用や免責までの期間、手続きの仕組みが異なります。
まずは自己破産手続きの全体の約7割を占める、同時廃止について解説していきます。
財産のない人の自己破産(同時廃止)は免責決定まで6ヶ月
財産を持たない人の自己破産の期間は、準備~免責決定まで6ヶ月ほどかかります。
自己破産の手続きは大まかに分けると
- STEP1 破産申し立てをするまでの準備期間
- STEP2 破産手続きの申し立て
- STEP3 免責手続きの申し立て
という流れで進行します。
STEP1 破産申し立てをするまでの準備期間 約3ヶ月 |
弁護士に相談 |
まずは専門家である弁護士などに相談。自己破産以外の選択肢も踏まえて、じっくり相談しましょう |
債権者に督促を止める通知が送られる |
弁護士から債権者に「受任通知」(自己破産の依頼を受けた旨の通知)を送付。この時点で督促がストップします |
弁護士に必要書類を作成してもらう |
自己破産の申立書と関係書類を準備します。弁護士事務所への着手金はこの期間に支払います |
<自己破産に必要な書類>
・自己破産申告書
・陳述書
・住民票・戸籍謄本
・給与明細書など収入がわかる資料
・預金通帳のコピー
・源泉徴収票・課税(非課税)証明書
・居住地がわかる資料
・資産関係がわかる資料
・その他、事情を説明するうえで必要になる資料
弁護士への依頼が完了した後、裁判所に自己破産の申し立てをします。
STEP2 自己破産の申し立て 約1週間〜1ヶ月半 |
申し立て |
裁判所に自己破産手続き開始の申し立てをします。この時点でクレジットカードは使用・発行することができなくなります |
審尋(裁判官との面接) |
弁護士同席で裁判官との面接(審尋)が行われます。ここでは主に資産や負債額、借金の原因などが聴かれます |
官報に掲載 |
官報に公告(名前や住所など)が掲載されます。また、裁判所から債権者に自己破産の決定が通知されます |
破産手続き開始の決定 |
面接の結果、申立人が「支払不能」と裁判所が判断すれば、数日以内に破産手続き開始の決定がなされます。決定後は、職業・資格・居住の制限を受けることになります |
裁判所が自己破産の手続き開始を許可すると、次は実際に借金をゼロにする(免責)申し立てを行います。
STEP3 免責申し立て 約2ヶ月〜3ヶ月 |
免責審尋(免責のための最終確認) |
弁護士同席で裁判所に出頭し、裁判所からの聴取を受けます。その内容は申立書の内容や債権者からの意見書の確認です |
免責許可決定 |
裁判所が、自己破産の免責を許可して、ようやく借金の支払い義務が免除されます |
次は、ある程度財産がある場合の自己破産手続きのスケジュールについて説明します。
不動産などの財産がある場合(管財事件)は免責までに1年かかるケースも
価値の高い車や不動産を所有しているなど、20万円を超える財産がある場合は管財事件になります。
管財事件となった場合は、先ほどのSTEP2の「破産手続き開始の決定」後に以下のやり取りが追加で必要となります。
破産管財人の選任 |
破産者の財産を調査する権利を持つ人が選ばれます。弁護士が選ばれることが多いです |
財産の調査・換金 |
破産管財人が破産者の財産の調査や売却による換金、債権者の数や債権額を調査します |
債権者集会 |
破産者の財産をお金を貸していた業者などに分配するのが債権者集会です。裁判官、破産管財人、破産者本人、(債権者)が出席し、破産管財人が財産や借金状況を説明します |
このステップでは、なかなか不動産の買い手が現れなかった場合などに手続きに時間がかかる可能性があり、期間でいうと3ヶ月から半年ほどかかります。
管財事件の注意点
破産管財人が財産調査をするために、この期間中には海外旅行や引っ越しの制限があります。
さらに、債権者集会までの期間には破産者の自宅に届く郵便物は、隠し財産はないか、ほかに債権者がいないのかを把握するために管財人のもとに転送されます。
自己破産の手続きを早く済ませる方法
自己破産の手続きを短縮するには、即日面接を利用する方法があります。以下で詳しく説明します。
即日面接を利用する
即日面接とは、自己破産の申し立てをしたその日のうちに、弁護士と裁判所が面接を行って破産手続きの開始を決定する制度です。
通常だと2~3週間かかることをその日のうちに終わらせるのでかなり期間を短縮できます。
自己破産の申立件数が圧倒的に多い東京地裁で運用されている制度ですが、他の地域でも同じような制度を運用している裁判所があります。地域で活躍している弁護士に相談してみましょう。
自己破産の手続きにかかる費用
手続きにかかる費用 |
財産のない場合の自己破産(同時廃止) |
約30万円 |
財産のある場合の自己破産(管財事件) |
約50万円 |
手続きにかかる費用は弁護士事務所によって異なります。費用について具体的に知りたい場合は自己破産の手続きの記事をご覧ください。
自己破産期間中と後のデメリットはいつまで続く?
自己破産の申し立てをしてから、実際に免責を受けて破産が完了した後の生活には、さまざまなデメリットや制限があります。
自己破産の主なデメリットとは…
- 一部の財産を失う
- 家族や保証人に影響がある
- クレジットカードやローンを5年以上利用できない
- 手続きが終わるまで一部の職業や資格の制限を受ける
- 税金や賠償金は免除されない
詳しくは自己破産のメリット・デメリットの記事をご覧ください。
ここでは、主に一定の期間影響がある
- クレジットカードやローンを5年以上利用できない
- 手続きが終わるまで一部の職業や資格の制限を受ける
の2項目について以下で説明していきます。
ローンやクレジットカードが組めるまでの期間
自己破産をすると、一定の期間「ブラックリスト」に登録(※信用情報期間の個人信用情報に事故情報が登録されること)されてしまい、ローンを組めなくなったり、クレジットカードが作れなくなります。
ブラックリストに登録される期間は金融機関によって異なりますが、およそ5~10年の間です。
以下の表のとおり、金融機関や信用情報機関によって、事故情報の記録年数は異なります。
信用情報機関 | 加盟会社/金融機関 | 事故情報の記録年数 |
CIC |
信販会社・カード会社 |
5年 |
JICC |
消費者金融・カード会社 |
5年 |
KSC(全銀協) |
全国の銀行 |
10年 |
職業や資格の制限を受ける期間
「破産開始決定~免責許可」の期間には就ける職業や資格に制限があります。
自己破産者が就けなくなる職業や、取れなくなる資格は例えば以下の通りです。
- 士業の資格:弁護士、公認会計士、税理士、弁理士、司法書士、行政書士など
- 一部の公務員:人事院の人事官、国家公安委員会委員、都道府県公安委員会委員、検察審査員、公正取引委員会委員など
- 代理人、後見人、後見監督人、警備員、保険外交員、遺言執行者など
免責許可となり復権すれば就けるようになるので、制限期間は4か月程度です。
自己破産よりずっと手軽な任意整理とは
自己破産は借金をゼロにしてもらう手続きですが、裁判所へ出廷したり、費用や期間がかかります。
任意整理では借金をゼロにすることはできませんが、もっとも費用や期間のかからない手続きです。
|
自己破産 |
任意整理 |
手続き費用 |
30~50万 |
10万弱+減額分の1割程度 |
手続き期間 |
最短6ヶ月 |
最短3ヶ月 |
その他特徴 |
借金免除。裁判所出廷有り。 |
借金減額。持ち家や車を残せる。 |
債務額や収入額などによって、最適な手続きは異なるため、弁護士事務所に相談するのも一つの解決方法です。
借金減額診断とは?
3つの質問に答えて無料でいくら減額できるか診断できるツールです。
- 匿名での回答可能
- 3問を選択するだけ
- 年間21万件以上問合せ・相談実績がある弁護士事務所が運営