借金完済の方法次第で信用情報に傷がつく?任意整理も一つの手段
2022.02.03 更新
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目次
借金を完済できる人の特徴と傾向
そもそも「借金を完済できる人」にはどのような特徴や傾向があるのでしょうか。それを理解しないまま、借金状態から抜け出すことは難しいでしょう。
- 明確な返済計画を立てている
- 支出を抑えて、収入を増やしている
- 完済後の将来設計も決まっている
- 一定額を給料から返済している
- 家計簿をつけて収支のバランスをチェックしている
上記の特徴に当てはまる項目が多いほど、借金を完済できる可能性は高いといえます。
逆に、具体的な返済計画を立てていない方、返済計画に無理がある方、収支のバランスが崩れている方は、完済までの道のりが長くなる場合があります。
借金完済への第一歩は、現状を正確に把握すること
借金を完済ができない理由や原因はいろいろあるでしょう。個別の事情によっても異なりますが、基本的には「収入額に比べて返済額が多くなりすぎている」というケースがほとんどです。
その問題点に気づくためには、自分の現状を正確に把握することが欠かせません。まずは、現状について掘り下げてみましょう。
現在の「借金額」を把握する
「督促に応じて順次返済する」といった返済の仕方をしている方の中には、複数の賃金業者や銀行などからお金を借りている“多重債務状態”に陥っているケースもあるようです。これでは、いつまでたっても完済が難しいかもしれません。
明確な返済計画を立てて完済を目指すには、現在の借金額について正確に知ることが大切です。下記のステップに従って正確な借金額を調べてみましょう。
ステップ2:未納となっている「本来支払うべき税金」を合計する
ステップ3:借金に対する金利を把握する
ステップ4:借金返済シートに返済状況をまとめる
下記の借金返済シート例を参考に、各項目にひとつずつ記述していきます。こうした借金返済シートをまとめておけば、借り入れ先、残りの借金額、返済期限、金利などをすべて一覧で把握できます。
【借金返済シートの例】
借り入れ先 | 借金額 | 完済予定 | 月々の返済額 | 毎月の金利 | 毎月の利息 |
---|---|---|---|---|---|
消費者金融A社 | 100万円 | 20●●年●月 | 5万円 | 15% | 約12,000円 |
カードローンB社 | 30万円 | 20●●年●月 | 2.5万円 | 18% | 約4,500円 |
住宅ローン | 1,000万円 | 20●●年●月 | 10万円 | 2% | 約20,000円 |
現在の「収支」を把握する
借金の返済が滞りがちな方は、自身の収支について正確に把握できていない可能性が高いと言えます。毎月の収入のうち、返済額の割合が多い場合は支払いが厳しくなりますし、収入より返済額が上回ってしまえばいつまでたっても完済はできなくなってしまいます。
完済できない人 | 完済できる人 |
---|---|
支出>収入 | 支出<収入 |
現時点で毎月の支払いよりも収入が多い方は、いずれ完済できるでしょう。しかし、毎月の支払いが収入を大きく上回っている状況であれば、借金の完済に向けて行動することも考えたほうが良いでしょう。
借金を完済するために知っておくべきこと
収入額に比べて返済額が多くなりすぎている場合、どうすれば「完済できる状態」になるのでしょうか。借金を完済するために必要なアクションについて確認していきましょう。
返済計画は3~5年で立てる
借金は、1日でも早く完済すればそのぶん支払う利息が抑えられ、最終的な返済負担が小さくなります。そのため、「6ヶ月で完済するぞ」「1年のうちにゼロにしたい」などと、大きな目標を短期間で立ててしまいがちです。
しかし、借金返済シートを使って収支のバランスを正しく把握すれば、現実的な返済計画ではないことはすぐにわかるでしょう。
実現可能な返済計画を立てるなら、「3~5年のスパンで完済できること」もひとつの目安となります。
支払い期間が長くなると月々の返済金額は減るので1回における返済負担は小さくなりますが、一方で「途中で支払いができなくなるリスク」も高くなります。
支払い期間はあまり長すぎないほうがいいでしょう。
「おまとめローン」は解決になるのか
毎月の借金返済が苦しい状況の解決方法として、借金を一本化する「おまとめローン」や「借り換えローン」の利用を検討する場合もあるでしょう。
おまとめローンとは、複数の借り入れ先を一本化するサービス・方法のことです。
ただし、おまとめローンには、デメリットもあります。正しく理解し、選択することが重要です。
主なデメリット
- 返済期間が長期化することがある
- 追加の借り入れが難しくなる
繰り上げ返済のメリット・デメリット
返済に余裕がありそうな状況なら、完済までの道のりを短縮するために「繰り上げ返済」を利用しましょう。
繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に借金の一部を繰り上げて返済していく方法。「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。
期間短縮型は、毎月の返済額は変更せずに完済までの期間を短縮する方法です。一方の返済額軽減型では、完済までの期間を変更せずに毎月の返済額を減らします。
繰り上げ返済のメリットとデメリットは、下記のとおりです。
主なメリット
- 繰り上げる期間が早いほど、完済までの負担額が減る
- 経済状況や目標に応じて、返済計画を立てやすい
- 経済的な余裕に応じて、返済していける
主なデメリット
- 積極的な返済により、手元の資金が減少する
- 経済的に生活が厳しくなることがある
- 繰り上げ返済時に、手数料が発生することがある
完済が難しそうなら「債務整理」を検討しましょう
借金がどうしても返済できない場合は、債務整理という方法も選択肢としてあります。
「自己破産」は債務整理の一種です。
ただし裁判所に申立てをして借金の返済義務を免責してもらうという手続きの関係上、親や家族に借金の事実を知られる可能性が高いです。
また、借金がゼロになる代わりに家や車など財産を処分して返済へ充てることになります。また、一定期間は一部の就業・資格が制限されます。
債務整理には、自己破産のほかにも「任意整理」という手続きもあります。
任意整理は、裁判所を介さない交渉のため、借金の事実を知られずに済む可能性が高くなります。自己破産のように財産を手放す恐れもありません。
任意整理を選択する場合には、債権者(お金を貸した側)と直接交渉をして借金の返済金額と返済方法(何年で月々何円ずつ返済するか)などを決め直し、正確な返済計画を立てていきます。
「将来の利息をカットできる」といったメリットが任意整理にはあり、債権者との話し合いによって返済総額が抑えられれば借金完済の目途も立てやすくなるでしょう。
借金完済に関するその他の疑問を解消!
任意整理による完済を目指そうと決めても、さまざまな疑問や不安があるでしょう。以下では、借金完済を目指す方が抱きやすい疑問についてまとめていきます。
任意整理による完済可能額ってどれくらい?
現在の借金総額が年収の3分の1を超えない方は、任意整理によって完済を目指せるといえそうです。
逆に借金が年収の3分の1を超えているなら、自力での返済は難しいかもしれません。
「個人再生」もしくは「自己破産」のいずれかを検討したほうがいいかもしれません。
借金完済後に信用情報の借入履歴は残る?
カードローンの申し込み審査に通過してローンやクレジットの契約をすると、借り入れの事実が個人信用情報に記録されます。
この場合、そのローンやクレジットを完済してから5年間程度は借入記録が残ります。完済したとしても、解約しなければ借入記録が消えることはありません。
借入記録が残っていても“ブラックリスト入りの状態”ではないので、他のローンやクレジットの借り入れができなくなるわけではありません。
しかし、ほかにもいくつも借入記録があると他社の申し込み審査に影響があるかもしれないことは覚えておきましょう。
完済した借金の過払い金返還請求はできる?
完済した借金についても過払い金返還請求をすることは可能です。
過去に利息制限法に定める利率以上の利率で取引をしていた場合、「過払い金」が発生している可能性があります。
過払い金が発生する可能性があるのは、おおよそ平成20年(2010年)以前に行われていた取引です。
借金完済後に過払い金返還請求をする場合は、時効の問題に注意する必要があります。過払い金返還請求ができる期間は、借金の完済から10年間です。
過去に過払い金が発生していても、完済後10年の間に過払い金返還請求をしなければ、時効によって請求権がなくなってしまいます。
完済した後にクレジットカードやローンは利用できない?
借金を完済したとしても、“ブラックリスト”に載っている限りローンやクレジットカードの利用はできません。
借金を長期にわたって滞納(期間が2か月程度の場合)したり債務整理手続きを利用したりすると、信用情報機関に事故情報が記録されます。
この場合、債務整理の手続後に完済したとしても、事故情報はすぐに消去されません。
債務整理の手続き後、5年~10年程度は事故情報が残ってローンやクレジットカードの利用ができない状態が続くため、注意が必要です。
まとめ
借金を完済するのであれば、まず現状の借り入れ状況を把握しましょう。
「借金返済シート」で借り入れ先、残りの借金額、返済期限、金利などを記載すれば、自分に返済可能かどうか知ることが可能です。
もし完済が不可能な状態であったとしても、借金問題解決を目指す方法はあります。その一つが債務整理です。
「債務整理=自己破産」というイメージがあるかもしれませんが、借金額が比較的少ないのであれば、「任意整理」や「個人再生」など方法は一つではありません。
まずは自分の借金や現在の収支について正しく把握し、返済計画を立てるうえで不安があるなら弁護士や司法書士などの専門家に相談するのも一つの方法です。
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2017.11.23 公開