2回目の債務整理は債権者からの同意があれば可能!1回目と異なる注意点
2021.12.28 更新
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目次
2回目の債務整理は債権者の同意があれば可能。しかしデメリットもある
「3年前に一度だけ債務整理をしたが、やはり返済が苦しい…」
このような場合、もう一度債務整理をすることができるのでしょうか?
実は、債務整理に回数制限はありません。債務整理は相手方の同意を得れば何度でも行うことができます。
ただし、2回目の債務整理となると1回目の債務整理とは状況が異なります。
それでは、2回目の債務整理を行うポイントを見ていきましょう。
※債務整理の中でも、任意整理をする場合にかぎります。
1回目の債務整理とは別の債権者に対して交渉を行う場合
1回目とは別の債権者に対して債務整理を行う場合は、あまりリスクはないといえます。
債権者が異なるのであれば、そもそも債権者が「この人は以前に債務整理をしたことがある」ということを知らない可能性があります。この場合は、比較的スムーズに手続きを進めることができます。
1回目の債務整理がブラックリストに載っている場合は、別の債権者であっても1回目の債務整理について知ることができます。このような場合であっても、「別の債権者に対して以前に債務整理をしているが、うちと交渉するのは初めてである」と判断されることもあるようです。
ただし別の債権者になっている理由が「長期間の滞納」「債権回収業者への債権譲渡」などの場合、厳しい判断がなされる場合もあります。
1回目の債務整理と同じ債権者に対して交渉を行う場合
1回目の債務整理と同じ債権者に対して交渉を行う場合には、債権者の審査が厳しくなる場合もあります。
債権者が「1回目の債務整理で約束したことを守れなかった人」と考えるからです。
また、2回目の債務整理の場合は、1回目の債務整理とは大きく異なる点があります。
それは「1回目の債務整理では借金の総額が減る可能性があったが、2回目の債務整理では借金が減る可能性がない」という点です。
1回目の債務整理の際に、弁護士や認定司法書士(法務大臣に認定された司法書士※以下「司法書士」と記載します)が契約状況をきちんとチェックしたうえで、「法律に則った適正な借金の総額はいくらか」ということを正確に計算しています。
既にきちんと計算していますので、何度債務整理を行っても、これ以上借金が減る可能性はありません。加えて1回目の任意整理で決めた金額より低い返済額での交渉も相手の合意を得ることは難しいでしょう。
それでは、借金の額が減らないにもかかわらず、2回目の債務整理をするメリットは何なのでしょうか?
2回目の債務整理では、「借金の総額が変わらないことを認めたうえで、月々の返済額を見直してもらい、きちんと返済できる金額にまで下げてもらう」ということがおもな内容となります。
借金の総額は変わりませんが、相手の合意が得られて月々の返済額を下げてもらうことができれば今後の生活が楽になるかもしれません。1回目の債務整理の後なお返済が苦しいとお考えの方は、弁護士や司法書士に相談してみることも検討してください。
【2回目の債務整理の条件】1回目の債務整理の種類で条件が異なる
2回目の債務整理を行うためには、どのような条件があるのでしょうか?
1回目の債務整理で「任意整理」を行った方
任意整理の場合は、回数や期間についての決まりはありません。「3年間は任意整理ができなくなる」「2年以上が経過しなければいけない」などのルールがないということです。
つまり、過去に任意整理を行ったことがあっても相手の合意が得られるのであれば、任意整理を行うことが可能ということです。
ただし直近1年前に任意整理をしたばかりの方は、債権者の目が厳しくなる可能性もあります。債権者が「ついこの間に決めたばかりの返済計画が守れないのならば2回目の債務整理に応じても無駄だ」と考えるからです。
期間制限についてのルールはありませんが、「1回目の債務整理から1~2年しか経過していないのであれば、債権者との交渉が難航する可能性が高くなる」と考えておきましょう。
1回目の債務整理から長期間が経過していれば、債権者としても「時間が5年も経過したのだから状況が変わったのだろう」と考えてくれる余地が出てきますので、交渉がしやすくなる場合もあるかもしれません。
1回目の債務整理で「自己破産」を行った方
1回自己破産を行った場合は、2回目の自己破産を行うためには1回目の自己破産から7年以上経過していることが条件です。
7年が経過していれば、再び自己破産の申し立てをすることができます。しかし、2回目の自己破産となると裁判所の判断が厳しくなる可能性もあります。
1回目の自己破産がスムーズに進んだとしても、2回目の自己破産には時間がかかるかもしれません。裁判所が免責許可を出さない可能性も高くなります。
2回目の自己破産を行うためには、裁判所に免責を認めてもらえるような事情や申立書の作成が必要となりますし、1回目に比べて免責が得られるハードルは高くなります。2回目の自己破産を検討している方は、弁護士や司法書士と相談することも検討しましょう。
2回目の自己破産について、詳しくはこちらをご覧ください。
実は自己破産をするのは2回目だけど、何か問題はある?
1回目の債務整理で「個人再生」を行った方
1回個人再生を行った場合、2回目の個人再生を行うためには自己破産の場合と同様に、1回目から7年以上経過していることが必要です。
自己破産のケース同様に、2回目の個人再生についても裁判所の判断や個人再生の手続きによっては債権者の判断が厳しくなります。2回目の個人再生をお考えの方は、専門家である弁護士や司法書士に相談して方針を決めておくことも考えてください。
【デメリット】2回目の債務整理は債権者との交渉が難航
「何度も債務整理をすることに抵抗がある…」という方がいらっしゃるかもしれません。
債務整理を何度も行うことには、デメリットはあるのでしょうか?
初めて債務整理を行う方は、これまでの取引の内容によっても異なりますが、比較的容易に手続きを進めることができます。
債権者としても、「返済計画を見直して返済が見込めるようであれば、今後はきちんと返済してくれるだろう」と考えてくれるからです。
しかし、債務整理が2回目となると、債権者は警戒します。そのため、債権者に納得してもらうことが難しくなります。結果として、手続きに時間がかかる場合もあります。
2回目以降の債務整理は、債権者との交渉が難航する可能性が高くなります。ご自身で交渉しようとしても、そもそも相手にすらしてもらえないかもしれません。
2回目以降の債務整理をお考えの方は、専門家である弁護士や司法書士に依頼することも検討してください。
2回目の債務整理を確実に行うための3つのポイント
債務整理を行うのが二度目となると、債権者を説得することが難しくなるということはおわかりいただけたでしょうか。
それでは、2回目の債務整理を確実に行うには、どうしたらいいのか、ここでは3つのポイントを紹介します。
(1)1回目に債務整理を行ったときと生活状況が変わっていること
1回目に債務整理を行ったときと生活状況に変化があったのであれば、債権者を説得しやすくなります。
例えば、1回目の債務整理の後にリストラにあったため返済が難しくなったという事情があれば、債権者を説得できる可能性が出てくるかもしれません。
他にも、
- 離婚・結婚・出産
- 引っ越し
- 交通事故・病気・入院
などの状況があれば債権者を説得する材料となります。
(2)借金を完済するための対策を具体的に取っていること
2回目の債務整理では、完済する意思があることを具体的に態度で示すことが必要ともいえます。
例えば、引っ越しをして家賃を下げたという事情があれば、生活費を見直していると示すことができますので、債権者を説得しやすくなります。
他にも、転職先が見つかり収入が増えるなど具体的な生活状況が提示できれば債権者が納得しやすくなります。
小さな事情であっても、きちんと借金に向き合っていることを示すことが重要です。
(3)専門家である弁護士や司法書士に相談することも手段の一つ
2回目の債務整理は何度も記載していますが、信頼が薄くなかなか説得に応じてくれなくなります。
ご自身が直接債権者に手紙を送っても、返事がこないかもしれません。ご自身が電話をかけても、担当者が取り合ってくれないかもしれません。
1回目の債務整理をご自身で行うことができた場合であっても、2回目の債務整理となると大きく事情が異なります。2回目の債務整理を成功させるためには専門家である弁護士や司法書士に相談することも手段の一つです。
弁護士や司法書士に依頼すると、弁護士や司法書士の名前で債権者に問い合わせを行います。通常、弁護士や司法書士の名前で問い合わせがきた場合には、債権者はご自身で交渉した場合に比べると問い合わせに応じてくれやすいといえそうです。
三度目の債務整理にならないために
2回目の債務整理が無事に終了した場合、今後はどのようなことに気をつければいいのでしょうか?
3回目の債務整理を避けるためにも、今後気をつけるべき注意点を2つ紹介します。
(1)返済計画をきちんと守ること
2回目の債務整理は、1回目に比べると厳しいといえそうです。まして3回目の債務整理となるとさらに交渉は困難となります。
3回目の債務整理を防ぐためにも、2回目の債務整理で約束した返済計画をきちんと守りましょう。
返済計画を守ってさえいれば、再び債務整理をしなければいけないという状況に陥ることはありません。 返済計画を守るためには、まずは返済計画を頭に入れるということが重要です。
弁護士や司法書士に債務整理を任せていると、返済計画を正確に把握しないまま手続きが終了してしまうことがあります。返済する本人が返済計画を把握していなければ、返済額や返済期間を間違えてしまうかもしれません。
債務整理が終了した段階で、もしわからないことがあればすぐに弁護士や司法書士に質問しておきましょう。細かい質問でも構いません。
手数料込みの金額なのか、振り込みの開始日はいつか、など気になることがあれば何でも弁護士や司法書士に確認しておきましょう。
弁護士や司法書士に問い合わせをすれば、ていねいに質問に答えてくれます。返済計画について疑問があれば、弁護士や司法書士に質問しておきましょう。
(2)計画が破綻しそうな恐れがあれば、弁護士や司法書士に相談することも検討する
2回目の債務整理が終了してしばらくは順調に返済をすることができるかもしれません。しかし、債務整理から年が経つにつれ予測しない事態が起きることがあります。
小さなことでも今後は月々の返済が難しくなりそうだと予感することがあれば、弁護士や司法書士に相談することを検討しましょう。
債権者側も、早期に弁護士や司法書士に相談していることから、危機管理ができるのではないかと考えてくれるので、交渉もしやすくなります。
2回目の債務整理で定めた計画が破綻する恐れがあれば、弁護士や司法書士に相談することを検討しましょう。
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2017.12.10 公開